Facebook、AppleやSamsungにユーザー情報への無断アクセスを許可しているとの報道に反論
New York Timesが、FacebookはAppleなど60社のスマートフォンメーカーが、Facebookユーザーに無断で友達情報を収集できるようにしていると報道し、Facebookはこれに反論した。
米Facebookが、米Appleや韓国Samsung Electronicsなど、60社以上のスマートフォンメーカーに対し、過去10年以上もの間ユーザーの明確な同意なしにユーザーの“友達”の情報へのアクセスを許可していた──。米New York Timesが6月3日(現地時間)、そう報じた。
FacebookはNew York Timesに対し、Facebookアプリが利用できるようになる以前、アプリなしでもFacebookを端末で利用しやすくする目的でデータを共有するパートナーシップを端末メーカーと締結したと語った。
だが、このパートナーシップの下、Facebookが2011年に米連邦取引委員会(FTC)と和解した条件に抵触する恐れのある情報共有が行われているとNew York Timesは批判した。これが本当であれば、欧州連合(EU)のGDPR(一般データ保護規則)にも違反する可能性がある。
New York Timeによると、ユーザーの同意なしに端末メーカーに情報へのアクセスを許可しているだけでなく、一部のメーカーは、情報共有を拒否したユーザーの友達から情報を得られる状態だったという。
この報道を受けてFacebookは同日、「なぜわれわれはNew York Timesに反論するのか」という発表文で、 Amazon、Apple、Blackberry、HTC、Microsoft、Samsungなどの60社に、アプリ代わりにFacebookの機能を利用できるようにするAPIを提供したが、情報共有を拒否しても情報を得られるということはなかったと説明した。「このAPIを使えばFacebookと同じ体験を提供できたが、パートナー企業はユーザー情報を他の目的では利用しないという契約に署名しており、パートナーはユーザーの同意なしに情報を使えなかったはずだ」と主張する。
また、「FacebookのiOSおよびAndroidアプリが一般的になったため、これらのAPIは4月から終了しつつある。既に22社とのパートナーシップを終了した」と説明した。
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