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「世界トップ性能」GMOのマイニングマシン、約22万円で発売 7ナノメートルプロセス実現

GMOインターネットは、同社が開発したビットコイン向けマイニングコンピュータ「GMO miner B2」と専用電源ユニットのセットを1999ドル(税込約22万円、送料別)で発売すると発表した。初回出荷は10月末の見込み。電力性能・計算性能で「世界トップの性能を実現した」という。

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 GMOインターネットは6月5日、同社が開発したビットコイン向けマイニングコンピュータ(マイニングマシン)「GMO miner B2」と専用電源ユニットのセットを1999ドル(税込約22万円、送料別)で発売すると発表した。初回出荷は10月末の見込み。電力性能・計算性能で「世界トップの性能を実現した」という。


GMOのマイニングマシン「GMO miner B2」

 GMO miner B2は、ビットコインなどがマイニングアルゴリズムに採用している「SHA256」の計算に特化したASIC(特定用途向け集積回路)で、1秒間で24兆回の計算(24テラハッシュ/秒)が可能に。消費電力は1950ワット。

 7ナノメートルプロセスのマイニングチップを世界に先駆けて導入したことにより、台当たりの計算性能や電力性能で他社製品を上回るという。

 ビットコイン向けASICでは中国BITMAIN社などが先行しているが、BITMAIN社の代表的なマイニングマシン「Antminer S9i」は消費電力1320ワット、14テラハッシュ/秒で、1テラハッシュ/秒当たりの消費電力は約94ワット。

 GMO miner B2の1テラハッシュ/秒当たり消費電力は約81ワットと、電力性能でも計算性能でもAntminer S9iを上回る世界トップの性能を実現した。なお、24テラハッシュ/秒で稼働するためには約200Vの入力が必要としており、100Vでは24テラハッシュ/秒の速度は出ないという。

 また、他社製品がマイニングマシン1台に1台のネットワーク機器を必要とするのに対し、本製品は1台のネットワーク機器に最大32台まで接続できるため、ネットワーク機器のコスト削減も見込めるという。

 機材管理用のAPIも提供する。遠隔で稼働状況を確認できる他、万が一盗難に遭った場合でも、犯人がネットワークにつないだ際に稼働を検知する仕組みを導入した。

 保証期間は180日で、以後の修理は有料。保証期間内であっても、送料はユーザー負担だ。

 6月の価格は1999ドルとしているが、需要など状況に応じて毎月価格は変動する。出荷量は非公開だが、注文が出荷量を上回った場合は抽選方式で販売。毎月10日(6月は11日)正午に抽選を締め切り、同日午後6時に結果を発表する。

 同月15日を支払い期限とし、初回出荷を10月末に始める流れ。支払い方法はビットコイン、ビットコインキャッシュ、米ドルの3種類に対応する。

 同社の熊谷正寿社長(兼会長)は、「ロシアからアフリカまで、世界中から問い合わせが殺到している」と需要の高さを説明した上で、「ビットコイン創始者であるサトシ・ナカモトの『非中央集権』の思想に基づき、さまざまな地域の人に買っていただきたい。そのために抽選方式とした」と説明する。


GMO-Z.com Switzerland AGの奥村真史代表取締役(左)とGMOインターネットの熊谷正寿社長(兼会長)(右)

GMOのマイニングセンター 5月の収益は3.9億円

 GMOインターネットはマイニング事業に特化した子会社「GMO-Z.com Switzerland AG」を設立しており、同子会社がマイニングマシンの販売や、北欧に設置したマイニングセンターの運営を行う。

 17年12月から稼働しているマイニングセンターの5月分のマイニング報酬も、GMOインターネットは5日午後3時30分に公開している。5月分の収益は472BTCと37BCHと、合わせて約3.9億円を得たという。


2018年5月 仮想通貨マイニング事業の月次報告

 同マイニングセンターが保持するハッシュパワー(計算能力)は5月時点で299ペタハッシュ/秒。「稼働台数の増加に伴い、計画通り上昇している」とし、18年度内に3000ペタハッシュ/秒の実現を目標に掲げている。

 GMO miner B2の在庫については、販売はもちろん、自社のマイニングセンターにも取り入れていく考えだ。


GMO miner B2に搭載されるASICボード「GMO 72b」上のGMOチップ

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