Facebook、「2014年の個人情報収集制限後も日産など一部を特別扱い」の報道にツイートで釈明
FacebookはCambridge Analyticaスキャンダルに関する説明で、アプリ開発者へのユーザー情報へのアクセスを2014年に大幅に制限したとしてきたが、日産など一部の企業を例外扱いにしていたとWall Street Journalが報じた。
米Facebookは2014年にアプリ開発者によるユーザー情報へのアクセスを大幅に制限した後も、日産やRoyal Bank of Canadaなど一部の企業に対しては特別に情報へのアクセスを許可していた──。米Wall Street Journalは6月8日(現地時間)、裁判文書やFacebook幹部への取材、情報筋からの話に基づいてそう報じた。
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOはCambridge Analyticaスキャンダルについての説明で、サードパーティーアプリ開発者がアプリで収集するユーザーの個人情報の範囲を2014年に大幅に制限したとしてきた。ザッカーバーグ氏は議会での証言で、開発者に対して2015年5月までにこの制限を受け入れるよう義務付けたと語った。
だが、Wall Street Journalによると、Facebookは情報へのアクセス延長を求めてきた数社を“ホワイトリスト化”し、ユーザーの“友達”の電話番号情報などへのアクセスを2015年5月以降も許可していたという。これは、3日に報じられた端末メーカー60社へのユーザー情報提供とはまた別の話だ。この報道では、AppleやHuaweiなどの端末メーカーがユーザーの“友達”の広範なデータにアクセスできていたという。
FacebookはWall Street Journalに対し、ごく少数の企業に対しアクセス制限後もしばらくアクセスを許可していたことは認めたが、ほとんどは数週間から数カ月の延長だったと説明した。だが、何社が延長し、いつ全社の延長が終了したかには言及しなかった。
Facebookはこの記事の公開後、(Facebookではなく)Twitterの公式アカウントで、この記事には2つの混乱があるとツイートした。1つは、延長は何年も前に終わっていること、もう1つは記事にある新たな取引でユーザーの“友達”の広範な情報を収集できるようにしているというのは正しくないということだという。
関連記事
- Facebookのバグで1400万人が意図せず投稿を「全員に公開」 被害者に通知
プライバシー問題で批判が高まるFacebookが、5月に実施したプライバシー設定のテスト中のバグで1400万人の投稿を「公開」設定にしてしまったとし、対象ユーザーに通知を送り、設定を修正した。 - Facebook、AppleやSamsungにユーザー情報への無断アクセスを許可しているとの報道に反論
New York Timesが、FacebookはAppleなど60社のスマートフォンメーカーが、Facebookユーザーに無断で友達情報を収集できるようにしていると報道し、Facebookはこれに反論した。 - Facebook、不正の疑いのある約200本のアプリを停止 CAスキャンダル後の進行中の審査で
Facebookが、アプリで収集した個人情報不正利用問題対策として進めているアプリ審査の進捗状況を発表した。数千本のアプリを審査して約200本を停止した。さらなる調査で、不正が確定すれば削除してユーザーに告知する計画。 - Facebook、「電話とSMSの履歴をユーザーに無断で収集」報道を否定
FacebookがAndroid版「Facebook Messenger」と「Facebook Lite」で、ユーザーの通話とSMSの履歴をユーザーに無断で収集しているという報道を否定した。収集はしているがユーザーはそれに同意していると説明した。 - Facebookの無断実験についてプライバシー擁護団体がFTCに申し立て
Facebookが実施した情動感染実験は同社のFTCとの和解条件に反するとして、プライバシー擁護団体のEPICが同社をFTCに提訴した。 - Facebook、プライバシー問題でFTCと和解
年内にも株式公開を申請するとみられるFacebookが、プライバシー問題で米連邦取引委員会と和解した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.