Skype、不評だったSnapchat的機能を廃しシンプルに回帰
Microsoftが、「Skype」の昨年7月の大刷新で追加したSNS的機能「Highlights」を不評だったとして削除し、通話・メッセージングサービスの基本に回帰するアップデートをリリースした。
米Microsoftは9月1日(現地時間)、デスクトップおよびモバイル版「Skype」のアップデートを発表した。このアップデートでユーザーのフィードバックに基づいてSkypeをよりシンプルに、親しみやすいものにするという。
同社は昨年6月、SkypeにSNS的な要素を盛り込んだ大幅な刷新を実施した。この刷新で、米Snapchatの「ストーリー」のように写真や動画をまとめて投稿する機能「Highlights」などを追加した。
今回のアップデートでこのHighlights機能を削除する。「ユーザーの多くがこの機能に共感しなかった。われわれはシンプルさに回帰する必要がある!」とSkypeとOutlookのデザインディレクター、ピーター・スキルマン氏は公式ブログで語った。
「Skypeに機能を次々と追加していくうちに、複雑さも増していった。多機能製品としてのSkypeにとって、機能を向上させつつシンプルさを維持することは非常に重要だ。昨年の幾つかのデザイン変更について、ユーザーから複雑さが増したというフィードバックをいただいた」(スキルマン氏)
今回のアップデートは、基本に戻り、通話およびビデオ通話とメッセージングの方法をより簡単に覚えられるように、シンプルにするものだとしている。
モバイルアプリでは、画面下にチャット、通話、連絡先の3つのボタンを配置し、HighlightsとCaptureボタンを廃止した。なお、これまでHighlightsに投稿したデータは9月30日まではダウンロードできる。
デスクトップアプリも、古くからのSkypeユーザーになじみやすいよう、画面左上にチャット、通話、連絡先、通知の4つのボタンを配しする。
今回のデザイン変更は、多くのユーザーとの密接な協力の結果という。スキルマン氏は、今後もユーザーからのフィードバックを重視し、改善に努めていくとしている。ユーザーからの声を聞くための専用サイト「UserVoice」を新たに設置し、ここへの意見を求めている。
Microsoftは7月、「Skype 7.0」のデスクトップ版を9月1日に終了すると発表したが、多数のユーザーからの抗議を受けて8月に終了期日を延期すると発表した。
Skype 7.0の終了期日は未定だが、新たなSkypeがユーザーの支持を得られるようになったとMicrosoftが判断した段階で終了するのだろう。
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