ニュース
テレポーテーションを実現? 遠隔操作で“分身”のように動くロボットの仕組み(2/2 ページ)
離れた場所にいる人間の動きを反映して分身のように動く「遠隔操作ロボット」がCEATECに登場した。いったいどんな仕組みなのか、開発企業に聞いた。
一方、ロボットの頭部にはカメラやマイクを搭載。操作者がVR空間で指示を出すと、ホイールで動き回り、周りの風景や音を伝える。指には温度、振動、圧力を検知するセンサーが取り付けてあり、つかんだ物の重さや質感などを操作者の触覚デバイスに反映する。
離れた場所で動くロボットを分身のように感じさせるには、動きや感覚のタイムラグをできるだけ減らさなければならない。しかし、現在は「180ミリセカンドほどのタイムラグがある」(佐野氏)という。
「研究では125ミリセカンドまで縮められた。将来的には100を切るのが目標だ。今はWi-Fiや4G LTEを使って伝送しているが、5Gが実装されれば解決されるだろう」(佐野氏)
現時点で一番の課題は伝送技術だが、実用化に向けてロボットの改良も進めるという。将来的にはバーチャル旅行を体験したり、離れた場所で働いたりするために遠隔操作ロボットを活用する考えだ。
「一瞬で遠い場所にワープできるというのは、1つの価値になると考えている。また、ロボットを通じてスキルのある人の知識や技能を伝送することで、遠方に派遣するコストを下げ、労働格差の解決につなげたい」(佐野氏)
関連記事
- 人間の「分身」になる遠隔操作ロボット、KDDI出資企業が量産プロトタイプを開発
KDDIが出資するベンチャー企業Telexistenceが、人間の分身として遠隔操作で動くロボットの量産プロトタイプ「MODEL H」を開発した。 - 「海を眺める」「ウミガメに触れる」 遠隔地のロボットで疑似体験、KDDI
ロボットがカメラで捉えた風景や触れたものの質感を、VR技術などを使って遠隔地にいる人に伝え、旅行を疑似体験してもらうイベントを、KDDIが9月に開催する。 - ALS患者らが目で操作 「分身ロボット」が接客するカフェ
寝たきりの人でも遠隔操作できる分身ロボット「OriHime-D」を使って接客する実験的なカフェが期間限定でオープンする。オリィ研究所がクラウドファンディングを開始した。 - “遠隔二人羽織ロボット” 東大などが開発 共同作業や技能の共有に
東京大学、慶應義塾大学、科学技術振興機構(JST)が8月9日、ウェアラブルロボットを使って遠隔地から他人の身体に働きかけ、共同作業するシステム「Fusion」(フュージョン)を開発したと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.