Facebook、ユーザーがコンテンツを報告するための独立組織を2019年中に立ち上げへ
フェイクニュース拡散やロシア介入対策の遅れなどで批判されているFacebookのザッカーバーグCEOが、Facebook内の問題コンテンツを報告するためのFacebookとは独立した組織を立ち上げる計画を発表した。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは11月15日(現地時間)、「A Blueprint for Content Governance and Enforcement(コンテンツのガバナンスと施行に関する将来計画)」と題する約4700ワードにもなるFacebookノートを投稿した。
前日には米New York Timesが、2016年のロシアによるサービス介入に対する同社の対策についての記事を公開して物議を醸した。Facebookは同日、この記事は不正確だと主張した。
同氏はこのノートの冒頭で、堅固な保障がなければ人々はサービスを悪用することが分かり、「私が過去2年間で学んだ最もつらい教訓の1つは、20億人もの人々を繋げれば、人間についてのあらゆる美しさと醜さを見ることになるということだ」と語った。
ザッカーバーグ氏はこうした悪用を阻止するための今後の取り組みについて紹介した。その1つとして、2019年中にユーザーがコンテンツを報告するための独立した組織を立ち上げる。「この組織の目的は、人々の安全を守りながら発言の自由を支えること」という。
コンテンツについての判断をする組織をFacebookから独立させることで、Facebook内で意思決定がオーバーフローしなくなり、アカウンタビリティと監視体制が生まれ、(営利企業であるFacebookから独立することで)商業上の理由ではなく、コミュニティにとっての利益のために最善の決定をすることが保証きるとしている。
この組織は、取締役会が投資家に説明責任を持つのと同様に、コミュニティに対しての責任を負い、将来的に同社のガバナンスにとって重要な役割を果たすようになるという。
「これらの問題は完全に修復できるものではなく、課題を解決する唯一絶対の方法もない。だが、われわれがこの2年間に示してきたように、システムを改善していくことはできる。(中略)Facebookを人々をより緊密に繋げるためのポジティブな力に確実にするために今後も努力していく」(ザッカーバーグ氏)
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