Wikipedia、Google翻訳を編集ツールで採用
Wikipediaを運営する非営利団体Wikimedia Foundationが、コンテンツ翻訳ツールで「Google翻訳」を利用できるようにしたと発表した。両者の合意により、無償で利用でき、コンテンツはGoogleに送信されるが編集者の個人情報などは収集されない。
Wikipediaを運営する非営利団体Wikimedia Foundationは1月9日(現地時間)、Wikipediaのコンテンツ翻訳で米Googleの「Google翻訳」を利用できるようにしたと発表した。
GoogleはWikimedia Foundationを支援しており、今回のGoogle翻訳提供も両者の合意により無償だ。Googleはクレジットなどを求めないが、通常のGoogle翻訳サービスと同様に、翻訳元のテキストと翻訳結果はGoogleに送信される。翻訳者の個人情報が収集されることはない。
WikipediaのGoogle翻訳の採用は、ボランティア編集者からの強いリクエストがあったという。Wikipediaのコンテンツ翻訳ツールではこれまで、オープンソースの「Apertium」(日本語は非対応)、Yandex翻訳などが使え、106言語をサポートしていた。Google翻訳の追加により、サポート言語がハウサ、クルド(クルマンジー)、ヨルバ、ズールーなど15言語が加わり、121言語に増えた。
Q&Aには「Google翻訳はオープンソースではないのになぜWikipediaで採用するのか?」という想定質問があり、その答えは「Google翻訳を使うために、WikimediaのWebサイトやサーバにGoogleのソフトウェアを追加することはない。このサービスは、GoogleによるWikimedia Foundation支援の一環であり、無償だ」となっている。
翻訳されたコンテンツは従来通りCC BY-SA 3.0ライセンスになる。合意は1年単位で、Wikimediaはいつでも使用を中止できる。
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