今こそ考える? ゴールド(金)投資の魅力:渋谷豊の投資の教室(1/3 ページ)
株式市場が軟調だと、自然とリスクに強そうな投資に目が向く。特に、歴史的に価値を保ってきたゴールド(金)は、実際に手に取って触れられる資産ということもあって、気になっている人が多いだろう。
「お金の教養」を身につけることを目指した総合マネースクール、ファイナンシャルアカデミーの渋谷豊取締役とともに、日本人の投資観を探っていく本連載「渋谷豊の投資の教室」(第1〜6回はこちら)。第8回は、誰もが一度は気にしたことのあるだろうゴールド(金)への投資について、編集部サイトウが聞いてみました。
渋谷: サイトウさんは、ゴールド(金)に投資をしてみたいですか?
サイトウ: いいと思う半面、持っていても利息もつかないので……と思うのが半面です。ただ、世の中がどうなろうと金の価値はなくないんじゃないかという安心感、世界どこに行っても大丈夫だという安心感はあります。
渋谷: なるほど。では、その安心感は何から生まれていると思いますか? これまで人類が発掘してきたゴールドの総量と、まだ地下に残っているゴールドの埋蔵量を合わせても、少しの量しかありません。希少価値というのにぴったりな資産なんです。
この対極にあるのが貨幣、つまりマネーです。送料が限定されていて、どうやってもこれ以上作れないゴールドに対して、お札の輪転機を回せばいくらでも刷れるのが紙幣、マネーなんです。中央銀行のトップである、黒田さん、パウエルさん、ドラギさんなど、彼ら中央銀行の意向によってはいくらでもお金を刷れる状況です。そのため、異常なほどお金が刷られたことによってインフレになってお金の価値が無くなる可能性があるというのが貨幣の恐怖なんです。
一方、ゴールドの埋蔵量は決まっているので、誰か人間により作為的に量を増やせないというのが最大の価値なんです。
サイトウ: 確かに「錬金術」なんていうように、ゴールドはどうやっても作ることはできませんね。いまある分と、地下にある分しかないと。
渋谷: 言い古された表現ですが、過去に掘られたゴールドをすべて溶かして50メートルのオリンピックプールに流し込むと、たったの3.5杯分しかないんですよ。神宮にあるような大きなプールにとろとろと入れてもそれだけしかない。そして、将来掘れるゴールドもプール1杯分しかないといわれています。合わせても4.5杯分くらい。これ以上は増えないというのがゴールドの大きな特徴です。
関連記事
- 投資する人としない人で、資産に「年3.5%」の差がつくのはなぜか?
皆さんは資産運用をしていますか? 投資とか資産運用なんてお金持ちだけの話……というのは今は昔。自分で資産運用を行って老後の資金を貯めていくよう、社会も変わってきています。でも、資産運用なんて考えたこともない。そんな人に向けて、どう考えて資産運用に取り組んだらいいかの連載がスタートしました。 - 資産の15%を失っても、あなたは夜寝られますか?
皆さんは資産運用をしていますか? 今や自分で資産運用を行って老後の資金を貯めていくよう、社会も急速に変わってきています。でも、資産運用なんて考えたこともない。そんな人に向けて、どう考えて資産運用に取り組んだらいいかの連載がスタートしました。第二回はリスクについて。 - 退職金離婚に陥らないための投資経験値
皆さんは資産運用をしていますか? 今や自分で資産運用を行って老後の資金を貯めていくよう、社会も急速に変わってきています。でも、資産運用なんて考えたこともない。そんな人に向けて、どう考えて資産運用に取り組んだらいいかの連載です。第3回は投資経験値の貯め方について。 - 分散投資でも防げない2つのリスクを知っていますか?
なぜ投資をする人としない人で大きな差がつくのか、そして退職金をもらってからいきなり投資を始めるのではなく、若い内から投資経験値をしっかりと貯めていくことが重要だという話を聞いてきました。そして重要なのが、価格のブレ幅を意味する「リスク」です。今回はそのリスクに関するこわい話です。 - 日本で暮らしているのに海外投資が必要な2つの理由
分散投資といったときに、外せないのが海外への投資だ。日本だけでなく海外各国へ分散することが重要だといわれる。しかし、日本に住んで日本でモノを買っているのに、どうして円以外へ投資する必要があるのだろうか? - 300万円か給料6カ月分 投資の前に現金を持ってますか?
資産運用が大事だといっても、すべてのお金を投資に回せるわけではないし、回して良いわけではありません。いったいどのくらいを預金や現金として持っておくべきなのだろうか? 単に生活のための現金という以外に、リスクコントロールのツールとして、またチャンスが来たときのための現金という要素もあった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.