退職金離婚に陥らないための投資経験値:渋谷豊の投資の教室(1/4 ページ)
皆さんは資産運用をしていますか? 今や自分で資産運用を行って老後の資金を貯めていくよう、社会も急速に変わってきています。でも、資産運用なんて考えたこともない。そんな人に向けて、どう考えて資産運用に取り組んだらいいかの連載です。第3回は投資経験値の貯め方について。
日本人の投資観を探っていく連載「渋谷豊の投資の教室」。第3回は、どのくらいの額をいつから投資に回したらいいのか? ということを考える。長期投資というからには、働き始めたらすぐにでも投資を始めたほうがいいのか、ある程度給料があがって余裕が出てからのほうがいいのか、なかなかタイミングが分からないという人も多いだろう。
「お金の教養」を身につけることを目指した総合マネースクール、ファイナンシャルアカデミーの渋谷豊取締役に、今回は投資額について聞いてみた。
いつからどれくらい投資する?
サイトウ: 前回は投資するときには上下のブレ、リスクを気にしなきゃいけないというお話でした。どのくらいブレるかが分かっていれば、いざ下がったときも「想定内だ」と安心していられる。では、僕らはいつからどのくらいの額を投資していけばいいんでしょう?
渋谷: 「いくらを資産運用しなきゃいけない!」と投資金額に駆られる人がいますが、それは間違っています。自分のゴールに向かっていくら必要なのかは、人によって違うんですよ。
将来、豪華な車に乗り、また何回も何回も世界中を旅したいという人は、老後の蓄えが2500万円じゃ足りないかもしれません。大げさかもしれませんが2億円、3億円必要かもしれないですね。でも普通のゆったりとした生活でいい、という人はそんなに多くの資産を貯める目標はいらないように思います。
つまり、自分が今持っている資産をいくらにする、そのために年何%で運用すればいいのかということを先に考えることが本来正しい考え方なのです。世の中が5%で運用しようという気運になっていてもみんなが5%で運用しなきゃいけないわけではありません。人によっては5%という目標は高すぎる可能性かもしれません。
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