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分散投資でも防げない2つのリスクを知っていますか?渋谷豊の投資の教室(1/6 ページ)

なぜ投資をする人としない人で大きな差がつくのか、そして退職金をもらってからいきなり投資を始めるのではなく、若い内から投資経験値をしっかりと貯めていくことが重要だという話を聞いてきました。そして重要なのが、価格のブレ幅を意味する「リスク」です。今回はそのリスクに関するこわい話です。

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 「お金の教養」を身につけることを目指した総合マネースクール、ファイナンシャルアカデミーの渋谷豊取締役とともに、日本人の投資観を探っていく本連載「渋谷豊の投資の教室」。第4回は、編集部サイトウが分散投資について聞いてみました。

 国が貯蓄から投資へ呼びかける中で、キーワードとなっているのが「長期・分散・積立」ですが、この分散投資には、実は深い意味合いがありました。


ファイナンシャルアカデミーの渋谷豊取締役

なぜ分散投資が必要なのか?

サイトウ: 最近「分散投資」が大事だとよく聞きます。なぜ分散しなくちゃいけないんでしょう?

渋谷: 分散投資がなぜ必要なのか。投資の鉄則として、「ひとつのカゴに卵を盛らない」という格言が広く知られています。これは、もしうっかりカゴを落としてしまったら全部の卵が割れてしまいますが、そのようなことにならないように投資でも1つに集中投資しないで分散投資が必要ですよという話です。しかし、分散投資の本当の一番の目的は資産価値のブレ幅を少なく抑えることなんです。

 ブレ幅というのはリスクですね(資産の15%を失っても、あなたは夜寝られますか?を参照)。例えば、株式のリスクが25%あって、債券のリスクが5%だとします。この資産を半分ずつ両方保有すると、ちょうど合成した数値が15%になります。人によって10%のリスクに抑えたい、5%のリスクに抑えたい、というように理想のリスクが違いますよね。1つの商品ではそのコントロールができないので、複数の商品を、割合を変えて組み合わせることでリスクを調整を行うことできます。これが分散の一番の大事なポイントなんです。

 「私は10%のリスクがいい」という人がいれば、さっきの条件でいえば株は25%、債券は75%の組み合わせです。そうすると10%になるので理想に近づきました。僕は20%の値動きを受け入れるということであれば、100%を株に投資するというのもありです。ポートフォリオという言葉をよく聞くかと思いますが、これは資産を組み合わせることをいいます。資産を複数に分散することだけで満足しないで、自分のリスク許容度に合わせた、分散された資産のポートフォリオを組むことがとても大事になってきます。

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