その企画書、読みにくいのはフォントが原因かも? ビジネスパーソンのためのフォント選び(前編):デジタルネイティブのためのフォントとデザイン(2/2 ページ)
フォントやデザインの世界を案内する連載「デジタルネイティブのためのフォントとデザイン」。今回は、企画書やプレゼン資料など「ビジネス書類のフォント選び」について解説します。
企画書のフォント選びは「読む人の視点に立って」
次は、企画書のフォント選びについて考えてみよう。漢字が多くなりがちな企画書の場合は、内容をじっくりと読み込むことができるフォントを使うのが望ましい。また、見出しや本文を同じ書体のファミリー(※)でそろえると、文書に統一感を持たせられる。
(※)ベースとなるフォントと、その太さ(ウエイト)や傾き、横幅などを変えたさまざまなバリエーションをまとめたグループを「フォントファミリー」という(関連記事)
企画書はフォーマルな形式や文体を求められることもある。フォントもフォーマルな内容に合ったものを選ぶことが大切だ。自分の好みではなく、企画書を読む側の視点に立って選んでみよう。企画書を採用されやすくするための工夫の1つとして使える。
そのスライド、無理せず自然に読めますか?
最後に、PowerPointやKeynoteを使ったプレゼンテーションスライドを例にとってみよう。プレゼンテーションの内容は素晴らしいのに、フォントの選び方や大きさで損をしているなぁ、と感じるケースは多い。
大きな会場で発表する場合、スライドの内容が遠くの席や端の席に座っている人にも読めるようにする必要がある。また、色の付いたスライドや画像の上に文字を配置する場合には特に注意が必要だ。
上の例で使用したフォントは文字の背景がすっきり抜けていて読みやすい。これを「文字のふところが広い」とも言うのだが、このようなフォントはスライドの内容を追いながら内容を読むとき、読み取る速度が上がってストレスがない。
フォント選びのポイントは
ビジネス書類のフォント選びのポイントをまとめると、(1)自分が打ち出したいイメージに合わせたフォントを選ぶこと、(2)1つの書類で使うフォントは3種類までに絞ること、(3)書類を読む人の視点に立ち、立場や状況に合わせたフォントを選ぶことの3つになる。この3つのポイントを意識して文書やスライドをつくることで、「読まれやすい」「採用されやすい」「理解されやすい」ものとなる。つまり、TPOとコーディネートが適切なら好感をもたれるということだ。
次回は、「ビジネスパーソンのためのフォント選び」第2弾として、個人名刺やギフトカードなどを例に「パーソナルブランディングのためのフォント選び」を紹介する。
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