Facebook、ニュージーランド乱射動画を150万本削除したと説明
ニュージーランドで50人が射殺された乱射事件の犯人がFacebookでライブ配信した動画のコピーが大量に拡散したことについて、Facebookはアップロード後24時間以内に150万本以上を削除したとツイートした。ニュージーランドの首相はFacebookとこの件について話し合うと記者会見で語った。
米Facebookは3月17日(現地時間)、ニュージーランドのクライストチャーチで起きたモスクでの乱射事件関連の動画を、事件発生後24時間で150万本削除したと、公式Twitterアカウントでツイートした。
「150万本のうち、120万本以上はアップロードの段階で削除した」という。また、「この悲劇の影響を受けた人々の気持ちを尊重し、残酷な画像は含まれないように編集されたバージョンの動画もすべて削除した」としている。
この事件は15日、単独犯がクライストチャーチのモスクで銃を乱射し、50人を射殺、多数の負傷者も出た。犯人はあらかじめネットで“マニフェスト”を公開し、そこで告知したFacebookライブ動画のリンクで犯行をライブ配信した。この動画は多数の視聴者が保存し、それがFacebookだけでなく、TwitterやYouTube、Redditなどに拡散していった。
Facebookは15日、警察からの報告でオリジナルの動画とその動画を配信したユーザーのFacebookおよびInstagramのアカウントを削除したとツイートしていた。
Facebookの元CSO(最高セキュリティ責任者)で現在はスタンフォード大学の非常勤教授であるアレックス・スタモス氏は自身のTwitterアカウントで、拡散してしまったコンテンツを100%削除するのがいかに難しいかを説明した。
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は17日に開いた記者会見で、「(FacebookのCOOである)シェリル・サンドバーグ氏から連絡を受けた。同氏と直接話してはいないが、連絡を取ってきたのはニュージーランドで起きたことを認識しているということだ」と語り、「この問題について、Facebookと直接話し合うつもりだ」とした。
アーダーン首相はこの会見を、自身のFacebookページで公開している。
関連記事
- ニュージーランド乱射動画の拡散はなぜ止められないのか 元Facebook幹部が解説
ニュージーランドで50人を射殺した犯人がFacebookライブ動画で配信した犯行動画が、YouTubeやTwitterで拡散した。各社がこうしたコンテンツを完全にブロックできない問題について、元Facebookの最高セキュリティ責任者がツイートで解説した。 - Facebook、「モデレーター」の悲惨さについての報道に「あれは珍しい例外」
Facebookの問題コンテンツを監視する「モデレーター」は世界に約1万5000人。その悲惨な状況をThe Vergeが報じ、それに対しFacebookは「報じられたのは珍しい例外」だとしつつ、改善案を説明した。 - Facebook、ユーザーがコンテンツを報告するための独立組織を2019年中に立ち上げへ
フェイクニュース拡散やロシア介入対策の遅れなどで批判されているFacebookのザッカーバーグCEOが、Facebook内の問題コンテンツを報告するためのFacebookとは独立した組織を立ち上げる計画を発表した。 - Facebook、“射殺動画”削除に2時間かかったプロセスを説明
高齢者を射殺する動画が約2時間にわたってサービス上で視聴できてしまった問題について、Facebookが削除までのプロセスを説明し、レビュー体制の強化を約束した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.