Facebook、“射殺動画”削除に2時間かかったプロセスを説明
高齢者を射殺する動画が約2時間にわたってサービス上で視聴できてしまった問題について、Facebookが削除までのプロセスを説明し、レビュー体制の強化を約束した。
米Facebookは4月17日(現地時間)、前日Facebookにユーザーが投稿した自分で男性を射殺する動画への対処について説明した。
この動画は、米オハイオ州クリーブランド在住のスティーブ・スティーブンス(37)が投稿したもの。路上で呼び止めたロバート・ゴッドウィンさん(74)を射殺する様子を録画したものだった。クリーブランド警察はこれをライブ動画と発表していたが、Facebookによると、射殺シーンの動画は録画したもので、その後に殺人について説明する動画がライブ動画だったという。
本稿執筆現在、まだスティーブンス容疑者逮捕の発表はない。
人を射殺する動画が数時間(Facebookによると2時間11分)にわたってサービス上で視聴できるようになっていたことについて、Facebookへの批判が高まっていた。
Facebookはスティーブンス容疑者が殺人予告動画を公開してからFacebookが関連動画をすべて削除し、容疑者のアカウントを無効にするまでのタイムライン(記事末に転載)を公開し、問題のある動画の削除を高速化するよう努力していると語った。
同社はライブ動画に関してはユーザーからの報告に24時間体制で人間のチームが対処している。今回は約5分のライブ動画が終了した午後11時27分に最初の報告があり、報告から削除までに1時間55分かかった。
射殺シーンを含む動画についての報告は午前11時11分の投稿から最初の報告までに1時間48分かかっており、報告から削除までは23分だった。
Facebookは同サービスを安全な環境にするために、ユーザーからの報告だけでなく、人工知能(AI)で問題動画の再配信をできなくするなどの取り組みを進めているという。また、ユーザーからの報告をレビューする体制も強化し、より迅速にす対処できるよう努力していると語った。
殺人動画投稿から関連コンテンツ削除までのタイムライン
- 午前11:09 殺人予告動画が投稿される
- 午前11:11 射殺動画が投稿される
- 午前11:22 射殺について語るライブ動画配信開始
- 午前11:27 ライブ動画終了、この動画についての最初の報告
- 午前12:59 射殺動画についての最初の報告
- 午後01:22 すべての関連動画削除、容疑者のアカウント無効化
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