Tesla、独自設計の完全自動運転プロセッサを発表 2020年には“ロボタクシー”事業開始へ
Teslaが自動運転の取り組みについてのイベントを開催し、独自設計のプロセッサを披露した。製造はSamsungが行い、既にMoxdel Sなどに搭載されている。マスクCEOは、2020年には完全自動車による配車サービスを開始するとも語った。
米Teslaは4月22日(現地時間)、自動運転の取り組みについてのイベントを開催して実況し、YouTubeで公開した(記事末に転載)。
独自に開発したオリジナルの完全自動運転(FSD)用プロセッサ「Dual Redundant FSD Computer」を披露し、2020年には同社の自動運転車による「ロボタクシー」が登場し、2年以内にはステアリングやペダルがまったくない自動車を製造するという。
Teslaがプロセッサを設計するのはこれが初めてだが、マスク氏は「プロセッサを設計したことのないTeslaが世界最高のプロセッサを設計した」と自信満々だ。製造は韓国Samsung Electronisのテキサス州オースティンの工場に委託する。
このプロセッサは既に1カ月前からModel 2とModel Xに、また10日前に製造開始になったMoxel 3に搭載されているという。2016年に予告したように、後はソフトウェアのOTAアップデートで自動運転が可能になる
としている。
プロセッサは「Dual Redundant FSD Computer」というボードに2つ搭載され、ダッシュボード内に組み込まれる。
プロセッサを2つ搭載するのは冗長性確保のため。マスク氏は「このコンピュータが故障する可能性は、ドライバーが意識を失う可能性よりもかなり低い」と語った。
イベントでは、ニューラルネットワーク採用システムで割り込みなどのリアルな世界での事象にも迅速に対応できるようにしたことなどを説明した。既に路上を走っているTeslaのデータを解析に使えることが強みになっているとマスク氏は語った。
ロボタクシーについては、Teslaアプリのアップデートで、Teslaの自動運転車のオーナーが自分の車をロボタクシーサービスに登録することでUberやLyftのように配車サービスを開始できるようになるという。利用料金はUberやLyftより安くなるとも。
米国ではまだ完全自動運転車の一般販売は認められていない。また、マスク氏の予告はこれまで、大幅に遅れることが多かった。ロボタクシーが2020年中に登場するかどうかは微妙だが、目指していることは確かだ。
関連記事
- Tesla、小型SUV「Model Y」を披露 2020年に発売で価格は3万9000ドルから
Teslaが「Model 3」に続く量産車で小型SUVの「Model Y」を披露した。北米、欧州の一部、中国で予約受け付けを開始。価格は3万9000ドル〜6万ドルで、2020年秋に発売の予定だ。 - テスラの自動運転は本当に“使える”のか?
米Teslaの最量販モデルである「モデルS」に乗る機会があった。徹底した自動化とパワー、そして自動運転技術。体験してみるとカルチャーショックというのがぴったりの時間だった。 - Tesla、全モデルを“完全自動運転対応”で製造販売し、ソフト更新で有効化へ
Teslaが、製造するすべての車両(「Model S」「Model X」「Model 3」)に完全自動運転機能を登載すると発表した。販売段階ではソフトウェアで機能をロックしておき、走行データの解析で安全が確認できた後OTAでロックを解除する。 - NVIDIA、「レベル2+」の自動運転システムを商用向けに投入
米NVIDIAが、自動運転レベル2+の自動運転システム「DRIVE AutoPilot」を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.