LINEのAI技術を販売する「LINE BRAIN」開始 チャットbotや文字認識、音声認識技術を提供
AIアシスタント「Clova」の開発で培った音声認識技術や、チャットbot、文字認識の技術を7月以降に提供する。
LINEは6月27日、自社が開発したAI技術を販売する新事業「LINE BRAIN」を開始すると発表した。AIアシスタント「Clova」の開発で培った音声認識技術や、チャットbot、文字認識の技術を7月以降に提供する。
日本語に特化した各種AI技術
自然言語の理解・応答技術の「LINE BRAIN CHATBOT」は、LINEの調査によれば、質問に対する応答で他社のチャットbotよりも正答率が高いという。販売するチャットbot技術は、LINE以外のサービスにも実装できる。
「LINE BRAIN OCR」は、画像内の文字を認識してテキストデータに変換する技術。スクリーンショット内の文字などを高い精度で認識するという。領収書の読み取りや、申込書、注文書、免許証の登録などでの活用を見込む。
「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」は、音声をテキストデータに変換する技術。長文の書き起こしや製品名など固有名詞にも対応する。コールセンターのオペレーター支援や動画音声の字幕起こしなどに利用できるという。
LINEの舛田淳取締役CSMO(最高戦略マーケティング責任者)は27日に行った自社イベント「LINE CONFERENCE 2019」で、「LINEは1000人規模のAI開発チームをそろえ、数年がかりでAIに取り組んできた」とアピールした。
また、同社の慎ジュンホ代表取締役CWO(チーフ・ワオ・オフィサー:「ワオ」は驚きの意)は「LINEのAI技術は、日本語に特化したチューニングをしている」と説明。LINE BRAINの3技術はいずれも日本語の認識で高い精度を誇るという。
AIを組み合わせて自然な電話応対を実現する「DUET」
LINEは同イベントで、自然な電話応対を実現する音声AIサービス「DUET」も披露。音声認識、音声合成、チャットbotを組み合わせ、レストランやコールセンターでの電話応対の自動化を目指す。
DUETのイメージ映像では、顧客が話す「それで大丈夫です」(了承の意)と「いいえ、大丈夫です」(断りの意)の意味を理解してAIが会話する様子が映された。
DUETは現在開発中で、製品化の時期は未定としている。
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