元Uber幹部をGoogleからの企業秘密窃盗で米司法当局が起訴
元Googleのエンジニアで自動運転企業OTTOを立ち上げ、Uber入りしたアントニー・レヴァンドウスキ氏が、米司法当局に自動運転関連の企業秘密窃盗の疑いで起訴された。有罪になれば最大10年の禁固刑と25万ドルの罰金が科される可能性がある。
米連邦検事局は8月27日(現地時間)、米Googleおよび米Uberの元幹部、アントニー・レヴァンドウスキ氏(39)を33件の罪で起訴したと発表した。米Alphabet傘下のWaymoから自動運転関連の企業秘密を盗んだ疑い。
有罪になれば、最大10年の禁固刑と25万ドルの罰金が科される可能性がある。
レヴァンドウスキ氏は2007年から約9年間Googleでソフトウェアエンジニアを務めた後、自動運転技術を手掛けるOTTOを立ち上げ、Uberによる買収で2016年に同社入りした。
Waymoは2017年2月にUberとその傘下のOTTOを営業秘密保護法違反および特許侵害で提訴し、2018年2月に和解した。この訴訟でUberはWaymoに和解金2億4500万ドルを支払った。この時、Uberのダラ・コスロシャヒCEOは、「WaymoからUberに企業秘密が流入したとも、UberがWaymoの自動運転技術の専有情報を利用したとも思っていない」と語った。
レヴァンドウスキ氏はUber退社後、自動運転技術企業Prontoを立ち上げている。Prontoは27日、レヴァンドウスキ氏からロビー・ミラー氏へのCEO交代を発表した。
米連邦検事のデビッド・アンダーソン氏は発表文で、「すべての国民には転職の権利があるが、(企業秘密で)ポケットをいっぱいにして退社する権利は誰にもない。窃盗はイノベーションではない」と語った。
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