Mozilla、復活「Test Pilot」でプライバシー保護拡張機能「Firefox Private Network」のβ版公開
MozillaがCloudflareとの協力により、カフェなどの無料Wi-Fi接続時に暗号化したネットワークを使うための拡張機能「Firefox Private Network」のβ版を米国で公開した。
米Mozillaは9月10日(現地時間)、正式公開前の機能をユーザーにテストしてもらう「Test Pilot」プログラムで、新たな拡張機能「Firefox Private Network」のβ版を公開した。まずは米国でのみの公開で、対処はデスクトップ版Firefoxだけだ。
Firefox Private Networkは、Webへのアクセスのために安全で暗号化されたパスを提供する拡張機能。機能的にはVPNのようだが、主な目的は、カフェや空港などの無料Wi-Fiを使う際、暗号化により個人情報を守ることだ。
Mozillaは、米CDN大手のCloudflareと協力し、Firefox Private Networkでの接続にCloudflareのプロキシサーバを利用する。Mozillaは「強力なプライバシー管理により、収集するデータと保持期間が制限される」としている。
利用するには、専用サイトからFirefox Private Network拡張機能をデスクトップ版Firefoxに追加し、Firefoxアカウントでログインする。Firefox Private Networkに緑のチェックマークが付いている間は、この機能を使っている。
Mozillaは、βリリースの段階では無料で提供すると言っており、公式版は有料になるとみられる。Mozillaは昨年10月、月額制のVPNサービス「Mozilla ProtonVPN」のテストを米国で開始した。こちらは月額10ドルだ。
Test Pilotプログラムは、2016年立ち上げの、Firefoxの未公開機能のテストプログラムだが、今年の1月に一旦終了した。新生Test Pilotは、Firefox以外の製品も含まれる可能性があり、また、一般公開直前の、かなり安定した機能が対象であることが旧バージョンとの違いだ。
関連記事
- 「Firefox 69」公開 サードパーティトラッカーと暗号通貨マイニングをデフォルトブロック
Webブラウザ「Firefox 69」が公開された。サードパーティトラッカーと暗号通貨マイニングをデフォルト(初期設定)でブロックするようになった。セキュリティ関連では最も重要な「Critical」2件を含む21件の脆弱性を修正した。 - Firefox、サードパーティーcookieのデフォルトブロックやFacebookコンテナ強化のアップデート
Mozillaが「Firefox」をマイナーアップデートし、新規ユーザーのコンテンツブロッキング設定のデフォルトで、サードパーティーCookieのブロックを有効にした。また、拡張機能「Facebook Container」で非Facebookページの「いいね」や「シェア」の情報をFacebookが入手することもブロックするようにした。 - 8chan問題で注目のCDN、CloudflareがIPO申請
CDN大手のCloudflareが新規株式公開(IPO)の登録書をSECに提出した。リスクファクターとして、8chanなどのコンテンツに問題のあった顧客へのサービス停止を挙げている。収益は順調に伸びているが、UberやWeWork同様の赤字上場だ。 - Mozilla、Firefoxユーザー向け有料VPNサービスのテスト開始
MozillaがスイスProtonVPNと提携し、Firefoxユーザー向け月額10ドルのサブスクリプション制VPNサービスのテストを開始する。 - Firefoxに、安定版のまま機能テストに参加できる「Test Pilot」登場
Mozillaが、安定版ユーザーでも開発中の機能のテストに参加できる「Test Pilot」プログラムを開始した。まずは多数のタブを開くユーザー向けの「Tab Center」など3つの機能が公開された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.