「雑務減らして練習増やす」「社内メール使いません」――東大アメフト部とメルカリの「Slack」活用術(1/2 ページ)
チャットツール「Slack」を提供する米Slack Technologiesが、カンファレンス「Frontiers Tour Tokyo」を開催。講演には東京大学アメフト部やメルカリなど、Slackと外部ツールを連携させている顧客が登壇。業務効率化などに役立つ活用法を紹介した。
2013年にリリースし、1日当たりのアクティブユーザー数(全世界)が1000万人に達しているというチャットツール「Slack」。昨今では「Google Drive」「Salesforce」「SAP Concur」「Office 365」などと連携し、トークルーム内で経費申請、予定の管理、人材採用の管理といった作業が可能になった。複数のツールを立ち上げて別個に操作する手間などを解消できるため、無駄な業務の削減につながると期待を集めている。
提供元の米Slack Technlogiesが9月17日に開いたカンファレンス「Frontiers Tour Tokyo」では、東京大学アメリカンフットボール部やメルカリなど、Slackとさまざまな外部ツールを連携させている顧客が活用術を紹介した。
Slackからプロテインが買える!
カンファレンスの基調講演ではゲストスピーカーとして、東大アメフト部の監督を任める三沢英生氏が登壇。同氏は「アンダーアーマー」の国内販売元・ドームの常務執行役員も兼任しており、企業で得たSlack活用のノウハウを部員マネジメントに応用している。
東大アメフト部では現在、全ての現役部員・コーチ・トレーナーに加え、OB・OGやファンクラブなど、合計で数百人のユーザーがSlackを利用。目的別にチャンネル(グループトーク機能)を立ち上げて会話しているという。
三沢氏はSlackを多様な外部ツールと連携させ、チーム力の強化や定型業務の省力化に生かしている。例えば、選手個人のトークルームは、スマートフォンで食事を撮影してSlackで送信すると、毎回の摂取カロリーと、タンパク質と炭水化物の量を算出してくれるアプリと連携。同アプリは、Slackで選手に食生活のアドバイスを送る機能や、タンパク質が足りない場合にドームのECサイトに遷移し、同社のプロテイン「DNS」をすすめる機能も持ち、選手の栄養状態を改善できるという。
三沢氏はこの他、選手の管理・指導を効率化するため、欠席連絡用のSlackチャンネルを立ち上げて「Google フォーム」と連携。欠席・遅刻する選手に「試験が入ったため遅れます」などと理由と合わせて入力してもらい、出欠状況を一元管理できるようにした。また、部費の管理には「Money Forward」、スケジュール管理にはドームが独自開発したアプリを導入し、Slackと連携させて使っているという。
選手はデジタルネイティブだった
こうした最新のツールを導入している理由は、無駄な業務を減らして練習や運営に充てる時間を増やすことだといい、三沢氏は「チームと企業の運営は全く一緒。ヒト・モノ・カネというリソースの最適化がチーム成長のカギだ」と強調する。
選手たちは一連のツールに慣れ親しんでおり、「選手はデジタルネイティブで、こちらが教えなくても勝手に使えるようになった。(Slackなどを)押し付けているつもりはなく、ボトムアップで自然と(体制が)出来上がった。『そんな使い方があるのか!』とこちらが驚かされることも多い」とITリテラシーを称賛した。
そんな東大アメフト部だが、先日出場したトーナメントでは1回戦で負けてしまったという。三沢氏は「ルーティンワークの負荷を軽減し、ゆくゆくは日本一のチームにしたい。もし甲子園ボウル(全国大会)に出られたら、Slackのおかげだと思ってほしい」と熱く語り、聴衆を盛り上げた。
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