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ERPのクラウドシフト進む 18年時点でユーザー企業の3割がクラウド利用 20年には45%超えか
矢野経済研究所の調査によると、ERPパッケージベンダーのユーザー企業のうち、クラウドベースのERPシステムを導入している企業は2018年時点で28.2%で、前年から5.8ポイント増えた。
ERPパッケージのクラウド化が進んでいる──。矢野経済研究所の調査でそんな傾向が分かった。同社が9月24日に発表した調査結果によると、ERPパッケージベンダーのユーザー企業のうち、クラウドベースのERPシステムを導入している企業は2018年時点で28.2%で、前年から5.8ポイント増えた。20年には45.8%に達すると予測している。
カテゴリー別では、SaaS型のERPはまだ製品数が少ないため、ユーザー企業の利用率は低いものの、ERPシステムの基盤にIaaSやPaaSを利用する例が増えているという。
「ERPへの投資意欲は高い水準」
18年時点での、クラウドとオンプレミスを合わせたERPパッケージライセンス全体の市場規模は1123億7000万円(エンドユーザーへの販売価格ベース)。17年から4.4%伸びており、16〜17年の伸び率(0.8%)を大きく上回った。
同社は「ユーザー企業のERPへの投資意欲は高い水準を維持しており、経営環境の変化に合わせて基幹システムを更新する動きが進み、市場の成長を支えている」と分析している。
19年の市場規模は前年比3.7%の1165億2000万円になると予測。「事業変革を目指すデジタルトランスフォーメーション(DX)という大きな流れを背景にしているため、市場は底堅い」とみている。
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