「ユーザーと直接つながりたい」 ダイキンが開発中の製品を公開するサイト「LAUNCH X」をオープンした理由
ダイキンが開発中の商品を公開してエンドユーザーの意見を募るサイト「DAIKIN LAUNCH X」(ダイキンローンチエックス)を開設した。集めた意見を元に商品の最終仕様を決め、サイト内で直接販売も行う。
ダイキン工業は11月1日、開発中の商品を公開してエンドユーザーの意見を募るサイト「DAIKIN LAUNCH X」(ダイキンローンチエックス)を開設した。集めた意見を元に商品の最終仕様を決め、サイト内で直接販売も行う。第1弾として、コードレス脱臭機とポータブルエアコンの情報を公開した。
ダイキンで空調製品の販売戦略を担当する萩原良彦部長は、「家電の寿命が延び、エアコンの買い換えサイクルは13.6年になった。一度購入したらメーカーとエンドユーザーの接点がほぼなくなる」と指摘。人々の暮らしが多様化する中、ユーザーの声を素早く反映できる商品開発が不可欠と、DAIKIN LAUNCH Xの意義を説明した。
同サイトには、搭載予定の機能やスペックなどの情報を掲載。それを見たユーザーは、商品に対する期待度や意見を「期待レビュー」として投稿できる。商品開発者と直接意見交換できる機会も設けるという。「エンドユーザーとオンラインで直接つながり、(製品を)使う場所や用途の変化をいち早く感じ取る必要がある」(萩原部長)
第1弾として情報を公開したコードレス脱臭機「LOOP STREAMER」(ループストリーマ)は、空気清浄機などに搭載している脱臭方式を応用。げた箱やクローゼットなど狭小空間の臭いを抑えるという。2020年の発売を目指す。
ポータブルエアコン「Carrime」(キャリミー)は、エアコンの設置が難しいキッチンなどでも使えるヒートポンプ式の小型エアコン。クラウドファンディングの「Makuake」を同社として初めて活用し、300台以上の支援が集まれば2020年6月に発売する予定だ。
DAIKIN LAUNCH Xには直販ページもある。当初はエアコンと無線LANでつながるアシストサーキュレータ「AIRLINK」、エアコンの設定温度をAIで制御するセンサー内蔵コントローラー「Beside」(ビサイド)などを扱う予定だ。萩原氏は、「他にも20ほど順番待ちしているプロジェクトがある」として今後の展開に自信を見せている。
【訂正:2019年11月06日14時40分更新 ※人名の誤りを修正しました】
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