もう他人事じゃない ハザードマップで自宅の浸水リスクを知る(2/2 ページ)
台風のニュースで頻繁に出てきた「ハザードマップ」。全国の自治体が提供しているハザードマップとその機能を知り、事前に避難計画を立てておきたいもの。その使い方と注目してほしいポイントを紹介しよう。
自治体のハザードマップを検索できる「わがまちハザードマップ」
一方の「わがまちハザードマップ」は、全国各地の自治体が公開しているハザードマップを検索できるサイトだ。トップページで直接、都道府県と市区町村を指定するか、地図上で選択すると、ポップアップでハザードマップの一覧が表示される。インターネット上で公開されているものがあれば公開URLが掲載されているので、クリックして該当ページにアクセスする。
わがまちハザードマップで調べられる各自治体のハザードマップは、PDFファイルで提供されていることが多く、プリントアウトしたり、他の人と共有したりする場合にも使いやすい。一方、「重ねるハザードマップ」は、自宅や職場などで、避難場所などさまざまな情報を見比べながら避難ルートをしっかりと検討したい場合に役立つ。
浸水エリアの広がり方をアニメーションやグラフで確認
国土交通省は、重ねるハザードマップとは別に「地点別浸水シミュレーション検索システム(浸水ナビ)」というサイトも提供している。これは洪水浸水想定区域を調べるのに特化したサイトで、重ねるハザードマップの浸水シミュレーションよりもさらに詳しい情報を入手できる。
重ねるハザードマップと大きく違う点は、河川ごとに、どこの地点が決壊(破堤)したら自宅や会社などが浸水するのかどうかが分かること。河川に沿って複数の想定破堤点(決壊が想定される地点)があり、クリックするとそれに対応して異なる浸水シミュレーションの結果を見られる。さらに、浸水後、どれくらいの時間で浸水エリアが広がっていくのかをアニメーションやグラフで確認することもできる。
地図上には河川の水位観測所を示すアイコンも用意されており、ポップアップ表示のリンクをクリックすると現在の水位情報が表示される。浸水ナビは、重ねるハザードマップのように土砂災害のハザードマップや道路防災情報などを見ることはできないものの、洪水浸水想定区域についてはかなり詳しい情報が得られる。重ねるハザードマップやわがまちハザードマップとうまく使い分けたい。
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