Sonos、Googleをスピーカー技術の特許侵害で提訴
オーディオメーカーのSonosが、Googleを米連邦地裁に提訴した。マルチルームスピーカー技術など、5件の特許を侵害したとしている。また、米国際貿易委員会への提訴で、Google製品の輸入禁止を申し立てた。
米オーディオメーカーSonosが米Googleをスピーカー技術の特許侵害で提訴した。米New York Timesが1月7日(現地時間)、Sonosのパトリック・スペンスCEOが経緯を説明するインタビュー記事を公開した。
同社は、カリフォルニア州中央地区連邦地裁と米国際貿易委員会(ITC)で2つの訴訟を起こした。ITCへの提訴では、Googleの多数の製品の製造地から米国への輸入を禁ずるよう申し立てている。
Sonosによると、2013年にSonosのスピーカーで「Google Play Music」をサポートするための提携の際、GoogleがSonosのマルチルームスピーカーの技術にアクセスし、それを盗んだという。Googleはその技術を「Chromecast Audio」(昨年1月に販売終了)やGoogle製スマートスピーカーシリーズ、Pixelシリーズなどでこの特許を使っていると主張する。
Sonosは、Googleがスマートスピーカーを発表した数カ月後から特許侵害についてGoogleに度々警告したが、話し合いで合意できなかったため、訴訟に踏み切ったとしている。スペンス氏はインタビューで、GoogleはSonosの特許100件以上を侵害していると語った。米Amazon.comも同様にSonosの特許を侵害しているが、「2社のITの巨人と同時に法廷で争うのは困難」なため、Googleだけを提訴したと同氏は説明した。
Sonosは自社製スピーカーをGoogleアシスタントおよびAmazonのAlexaに対応させている。同社は昨年11月、プライバシー重視の音声アシスタントを開発する仏新興企業Snipsを買収した。
スペンス氏は「Googleは長年にわたって協力してきた重要なパートナーだ。昨年にはSonosのスピーカーでGoogleアシスタントをサポートした。だが、Googleは自社のオーディオ製品で、われわれの特許をあからさまに、故意にコピーしている」と語った。
GoogleはNew York Timesに対し「われわれは両社の知的財産権について長年にわたって話し合ってきた。Sonosが誠実に交渉を続けるのではなく、訴訟を起こしたことに失望している。われわれはSonosの主張に異議を唱える」というコメントを寄せた。
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