新型コロナウイルスの解析、分散コンピューティングで誰でも参加できるように 「Folding@home」が対応
分散コンピューティング技術を使った医療研究プロジェクト「Folding@home」で、新型コロナウイルスの解析が行えるようになった。
分散コンピューティング技術を使った医療研究プロジェクト「Folding@home」はこのほど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の解析に対応したと発表した。専用ソフトをPCにインストールして起動すると、CPUやGPUの処理能力を使って解析に参加できる。
Folding@homeは米スタンフォード大学を中心としたタンパク質構造解析のための分散コンピューティングプロジェクト。ネット接続された世界中のコンピュータの処理能力を集めて巨大なスーパーコンピュータを形成し、アルツハイマー病、がん、パーキンソン病などの治療に関する解析やシミュレーションに活用している。専用ソフトの対応OSはWindows、macOS、Linuxなど。
Folding@homeが新型コロナの解析を呼びかけたツイートには、高性能なマシンを持つユーザーから協力を申し出るツイートが寄せられている。
米NVIDIAも高性能なGPUを搭載したマシンを所有するPCゲーマーに向けて、Folding@homeのプロジェクトに参加するように呼びかけている他、米GitHubのナット・フリードマンCEOはGitHubの機能「GitHub Actions」向けに用意したサーバの余剰処理能力を提供すると表明している。
Folding@homeは2000年にスタート。07年にはソニー・インタラクティブエンタテインメント(旧ソニー・コンピュータエンタテインメント)が「プレイステーション 3」の処理能力を使ってFolding@homeに参加できるソフトウェアを公開するなど話題になった(12年に終了)。
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