Google、新型コロナが人の動きに与える影響を視覚化 「ロケーション履歴」データで
Googleが、新型コロナで人の動きがどう変わったかを視覚化する「COVID-19 Community Mobility Reports」を公開した。位置情報機能「ロケーション履歴」を有効にしているユーザーの匿名化したデータを基にしており、日本を含む130の国と地域の状況を見ることができる。
米Googleは4月3日(現地時間)、世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中、人々の動きの変化を把握するための「COVID-19 Community Mobility Reports」を公開した。Googleアカウントの「ロケーション履歴」(デフォルトでは無効)を有効にしているユーザーから集めた匿名化されたデータセットに基づいて作成されている。
Googleアカウントの「ロケーション履歴」を有効にすると、Googleのサービスを使っていない間もスマートフォンを持って移動した履歴が記録され、Googleマップの「タイムライン」やショップやレストランの混み具合表示に使われる。
「COID-19の感染拡大が始まってから、公衆衛生や感染症対策の専門家の皆さまから、集計の上匿名化したデータが感染症の拡大と戦う上で有用であるとのお声を頂いていました」という。まずは日本を含む131の国と地域のものの“早期公開”を開始した。
レポートの目的は、外出自粛やロックダウン(自宅待機令)などが人の動きに与えた変化を把握すること。感染症の拡大抑制と日常生活に不可欠なニーズの保護を包含した指針の作成に役立てたいとしている。Googleは、プライバシーポリシーを順守した上でユーザーデータを利用していると強調する。
特定の国のレポートを見るには、レポートの検索バーに「Japan」などと国あるいは地域名を入力する。目的の国名の右にある「Download PDF」をクリックすれば、最新のレポートが表示される。日本や米国を含む一部の国では県や州単位の情報も掲載している。
レポートは、娯楽関連施設(Retail & recreation)、食料品店やドラッグストア(Grocery & pharmacy)、公園(Parks)、公共交通機関(Transit stations)、職場(Workplaces)、住宅(Residential)の6つの大分類での人の動きを時系列グラフで表示する。例えば下図は日本の状況だ。左側の数字は、ベースラインとする1月下旬からの増減率を示す(絶対数は表示していない)。
東京の状態は4月3日にダウンロードしたPDFでは下の画像のようになっている。3月25日に都知事が週末の不要不急の外出自粛を呼びかけたこともあり、3月29日(日曜)の娯楽施設や公園の訪問が急減していることが分かる。
感染者が急増し、3月20日にロックダウンが始まったニューヨーク州では、公共交通機関が68%減り、住宅は16%増えている。
「ロケーション履歴」はデフォルトでは無効。自分が有効にしているかどうかは、Googleアカウントの管理ページで確認できる。
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