InstagramアカウントとFacebookページに“ロケーション”を表示 信頼性強化目的で米国から
Facebookが、11月の大統領選に向けて、同社サービスでの人心操作を防ぐ取り組みの一環として、米国のユーザーが目にするFacebookページとInstagramのアカウント名の下に投稿者のロケーション(国名など)を表示する。
米Facebookは4月22日(現地時間)、FacebookページとInstagramアカウントの“ロケーション”表示を、まずは米国で開始したと発表した。
Facebookは、2016年の米大統領選で人心操作にFacebookが悪用されたという批判を受け、これまでも幾つかの対策を追加しており、これもその一環。米国外を拠点とするFacebookページおよびInstagramアカウントのロケーションを、米国ユーザーに表示することから開始する。
Facebookが提供したサンプル画像では、モバイルアプリ上のFacebookページの投稿で、投稿者名のすぐ下に「投稿者は○○(下の左の画像では「ブラジル」という国名)に拠点を置いている」と表示されている。右の画像のカードがどこをタップすると表示されるのかは不明だが、「この投稿をした人とこのページのフォロワーの多くは異なるロケーションに位置している(中略)Facebookがこの情報を提供するのは、投稿者がそのロケーションについて人々をミスリードしようとしている可能性があるためだ」とある。
Instagramの場合は、アカウント名の下に「○○に拠点を置く」となっている。
今後さらに、プロフィールなどでもこうした透明性を高める取り組みを進めていくとしている。
2016年の米大統領選では、米国民を分断するような内容のFacebookページの多くがロシアで開設したものであることが明らかになった。今年の11月に米大統領選を控え、3月にはアフリカの国で運営されている多数のアカウントをFacebookと米Twitterが削除している。
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