“Facebookの良心”クリス・コックス氏がCPO(最高製品責任者)に復帰
Facebookを昨年3月に退社したCPO(最高製品責任者)、クリス・コックス氏が復帰した。「私たちの家族やコミュニティのために、そして子どもたちの未来のために何ができるか懸命に考えた。Facebookは、私が腕まくりして頑張るのに最適な場所だ」
米Facebookを昨年3月に退社したクリス・コックス氏が6月11日(現地時間)、CPO(最高製品責任者)に復職すると発表した。
コックス氏はFacebook投稿で、「今は私がFacebookを去ったころとは別の世界になった」と語った。新型コロナウイルスのパンデミックや人種差別抗議運動の拡大を指すとみられる。「私たちの家族やコミュニティのために、そして子どもたちの未来のために何ができるか懸命に考えた。Facebookとその製品は、かつてないほどに私たちの未来との関連を強めている。Facebookは、私が腕まくりして頑張るのに最適な場所だ」という。
同氏はFacebookを辞めた後、地球温暖化や2020年の大統領選挙に向けた活動に従事していたが、「少し前にマーク(ザッカーバーグCEO)に連絡をとり、手助けをしたいと申し出た」という。ザッカーバーグ氏は自身のFacebook投稿で「クリス(コックス氏)がFacebookに帰ってきてくれて本当に嬉しい」とコックス氏を歓迎している。
コックス氏は2013年にFacebookに入社し、退社前にはFacebook、Instagram、Facebook Messenger、WhatsAppのすべてを統括するCPOを務めていた。2014年にFacebookがLGBTQコミュニティから批判された際、真摯に謝罪するなど、同社の良心的な存在だった。ザッカーバーグ氏が発表した製品の統合などの方針に添えないというようなメッセージを残して退社した。同氏の後任はおらず、CPOの座は空席になっていた。
Facebookは現在、ドナルド・トランプ米大統領の問題のある投稿を放置していることで内外から批判を受けている。
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