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Zoom、Web会議のエンドツーエンド暗号化を無料ユーザーにも提供へ 7月にβ開始
Zoomが、Web会議のエンドツーエンド暗号化計画について説明した。当初有料顧客にのみ提供するとしていたが、違法使用対策を追加することで無料ユーザーにも提供するよう計画を変更した。
Web会議サービス「Zoom」を運営する米Zoom Video Communicationsは6月17日(現地時間)、有料顧客にのみ提供するとしていたエンドツーエンド暗号化(E2EE)を、すべてのユーザーに提供するよう方針を変更したと発表した。
エリック・ユアンCEOは発表文で、7月にまずβ版としてこの機能を有効にできるようにすると語った。無料ユーザーも利用でき、従来の電話回線や古い会議システムからの参加の場合は管理者がE2EEの有効無効を切り替えられる。
同社は6月、無料ユーザーにE2EEを提供しないのは、アプリが違法な活動に使われる恐れがあるためとしていた。
無料ユーザーでもE2EEできるようにするための悪用回避策として、無料ユーザーの場合はE2EEへのアクセスを1回限りのプロセスとし、テキストメッセージによる電話番号の確認などの追加情報の入力をユーザーに求めるようにする。
また、管理者はアカウントまたはグループレベルでこの機能をオン・オフできるようになる見込みだ。
同社はE2EEの設計情報をGitHubで公開した。ホワイトペーパーを確認できる。
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