Amazon.com、自動運転のZooxを買収
Amazonが、自動運転技術の米新興企業Zooxを買収すると発表した。Zooxは買収完了後も独立子会社としてサービスとしてのモビリティ技術開発にフォーカスしていくとしている。
米Amazon.comは6月26日(現地時間)、自動運転技術を手掛ける米新興企業Zooxを買収することで合意したと発表した。買収総額などの取引の詳細は公表されていないが、米Financial Timesは以前、AmazonがZooxの買収に12億ドル(約1286億円)支払うと報じた。
Amazonは発表文で「Zooxは世界トップクラスの自律型乗車体験の開発に取り組んでいる。(中略)Zooxのビジョン実現を支援できることを楽しみにしている」と語った。買収完了後、Zooxは独立子会社として現行の経営チームが率いる。
Zooxは2014年創業のカリフォルニア州に拠点を置く非公開企業。オーストラリア出身のデザイナーで起業家、ティム・ケントリー-クレイ氏と米Appleの取締役会長であるアーサー・レビンソン氏の息子でスタンフォード大学出身のジェシー・レビンソン氏(現在は同社CTO)が立ち上げた。LinkedInの概要によると、「AIが運転し、人間は楽しむために設計された完全自律型の専用車群を開発することで、サービスとしてのモビリティを変革している」という。
ケントリー-クレイ氏は2018年8月に退社し、Zooxは昨年1月、米Intelの元上級副社長、アイチャ・エヴァンス氏をCEOに迎えた。
Amazonのジェフ・ベゾスCEOは昨年9月の環境問題に関するイベントで、米自動車メーカーRivianに4億4000万ドル出資し、同社の電気配送車を大量に購入することで二酸化炭素削減に役立てると語った。
Zooxは昨年3月、米Teslaに機密情報を盗んだとして提訴され、今年4月に和解した(和解金などの条件は非公開)。Teslaのイーロン・マスクCEOはAmazonのZoox買収について「ジェフ・ベゾスは人まねばかりだな」とツイートした。
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