ウォズニアック氏、GoogleとYouTubeを提訴 ビットコイン詐欺動画放置で
Apple共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏が、Googleとその傘下のYouTubeを提訴した。同氏の動画を悪用するビットコイン詐欺動画の削除を再三要請したにもかかわらず、これらの動画を放置してユーザーの被害を広げ、動画に広告を表示して売り上げまで上げていたとしている。
米Appleの共同創業者、「ウォズ」ことスティーブ・ウォズニアック氏を含む17人が米Googleとその傘下のYouTubeを提訴した。原告の映像を悪用するビットコイン詐欺動画の削除要求を無視したため。申し立てを行った米法律事務所Cotchett, Pitre & McCarthyが7月23日(現地時間)に発表した。
訴状によると、YouTubeでは数カ月前から、ウォズニアック氏やイーロン・マスク氏、ビル・ゲイツ氏(この2人は集団訴訟に参加していない)、コンサルタントなどの動画を無断で合成したビットコイン詐欺動画が公開されていた。例えば、ウォズニアック氏が開催しているように見えるビットコイン放出イベントの動画では、イベント中に動画のリンク先にビットコインを送信すると、2倍になって返金されるというテキストが表示される(実際には当然何も返金されない)。
ウォズニアック氏は発表文で「YouTubeがこの問題に迅速に対処していれば、われわれは今ここにいない。YouTubeはGoogle同様、アルゴリズムに依存しているようで、こうした犯罪的行為に迅速に対処するために必要な特別なソフトウェアは採用していないようだ。犯罪があれば、ユーザーはそれを阻止できる人間とつながれる必要がある。人間なら、こうした投稿を犯罪と判断してすぐに停止するだろう」と語った。
訴状は、米Twitterが15日に発生したビットコイン詐欺投稿事件に迅速に対処し、ユーザーを守って謝罪したことを引き合いに出し、「これとは対照的に」YouTubeは動画を削除せず、謝罪もせず、被害を広めているだけでなく、動画に広告を表示することで収益まで上げていると非難する。
Bitcoin.comによると、6月20日時点で、マスク氏の詐欺動画経由だけでも200万ドル以上のビットコインがだまし取られたという。
YouTubeは米Ars Technicaに送ったコメントで「プラットフォームの悪用を真剣に受け止め、詐欺やなりすましなどのポリシー違反が検出されれば迅速に対応する」と語った。
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