Facebook、米大統領選本番1週間前から政治広告停止などの対策を発表
米大統領選本番まで2カ月を切り、Facebookが正しい選挙を守るための複数の対策を発表した。例えば、投票の1週間前から新たな政治広告の掲載を停止する。2016年の大統領選ではFacebook上の虚偽情報が結果に影響したと批判された。
米Facebookは9月3日(現地時間)、11月3日の米大統領選に向けた複数の対策について発表した。前回(2016年)の大統領選では、Facebook上の虚偽情報が選挙結果に影響を与えたとして批判された。
まず、投票日(11月3日)の1週間前から、プラットフォーム上への新たな政治広告の掲載を停止する。10月27日までに掲載した広告についてはそのまま表示される。米Twitterは政治広告は全面的に禁止している。
公正な選挙のための対策として、この他、FacebookとInstagramのニュースフィードのトップに選挙に関する正しい情報を集めた「Voting Information Center(投票情報センター)」を選挙当日まで配置する、米Reutersと提携して開票速報をライブで提供する、投票と新型コロナウイルス感染症に関する明らかな偽情報を含むフェイク投稿を削除する、新型コロナを恐れて投票しないユーザーを減らすため、正しい新型コロナ関連情報へのリンクを表示する、選挙関連で不正確な投稿にラベルを追加する、などを行う。
また、虚偽情報の拡散を抑制する目的で、Facebook Messengerでのリンクの転送先を、1メッセージ当たり5人あるいは5グループに制限する。これは米国だけでなく、グローバルな変更だ。
マーク・ザッカーバーグCEOは自身のFacebook投稿で「大統領選まであと2カ月を切り、新型コロナが投票に与える影響について心配している。また、わが国が分断され選挙結果が確定するまでに数日あるいは数週間かかる可能性があるため、国民の不安のリスクが高まる可能性があることも心配している」と語り、「われわれは、民主的なプロセスが機能し、すべての有権者が投票で自分の声を届けられるようにする役割を担っている」とした。
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