Facebook、レイバン提携のスマートメガネ「Project Aria」の進捗報告 来年製品化
Facebookが年次AR/VRカンファレンスで、2016年から進めているARメガネプロジェクトの進捗を報告した。来年にはRay-Banを傘下に持つEssilorLuxotticaとの提携による製品を発売する計画だ。
米Facebookは9月16日(現地時間)、年次AR/VRカンファレンス「Facebook Connect」で、「Ray-Ban(レイバン)」ブランドを擁するイタリアのメガネ企業EssilorLuxotticaとの提携によるスマートメガネ開発プロジェクト「Project Aria」の進捗を報告した。マーク・ザッカーバーグCEOは「製品を来年リリースする」と語った。
同社は2016年の年次開発者会議F8でARメガネ構想を発表し、計画を進めてきた。Ray-Banとの協力は当時からのものだ。
ザッカーバーグ氏はかねて、将来的にはスマートメガネにBCIを統合し、パソコンやスマートフォンを使わずに目の前に広がる世界とシームレスに繋がり、脳で考えるだけでコミュニケーションできるようにしたいと語っている。具体的な機能などの説明はなかったが、来年発売のメガネは、その最終目標への途上製品という位置づけ。
同社は、このメガネで使う仮想3Dマップ「LiveMaps」開発用の一人称視点の映像データを大量に集めるための“リサーチ”メガネの画像を披露した。このメガネはプロトタイプではなく、リサーチ専用だ。
このリサーチメガネのテストが9月に始まる。数百人のFacebookの従業員や契約社員がリサーチメガネを終日装着し、室内や屋外の映像をプライバシーに配慮しつつ収集していくという。例えば屋外で撮影する際は、Project Ariaのテスト参加者であることが明確に分かる服装で、撮影中は(米Snapの「Spectacles」のように)メガネ搭載の白いライトが点灯する。
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