次世代機で盛り上がるゲーム業界、今後は何がトレンドに? 「東京ゲームショウ」で有識者が議論(1/3 ページ)
家庭用ゲーム機の2大巨頭である「PlayStation」と「Xbox」。いずれも次世代機が11月に発売される。こうした背景を踏まえ「東京ゲームショウ2020」の専門セッションで有識者が今後のゲーム業界の動向について意見を交わした。
家庭用ゲーム機の2大巨頭である「PlayStation」(PS)と「Xbox」。いずれも次世代機が11月に発売される予定になっており、既にECサイトでは予約が争奪戦になるなど話題を呼んでいる。こうした背景を踏まえ「東京ゲームショウ2020」(オンライン開催、9月23〜27日)の専門セッション「2021年に向けたゲーム業界最新技術トレンド」では、ゲーム業界の有識者が登壇し、次世代機で注目すべきポイントや、今後のゲーム業界の動向について意見を交わした。
PSとXboxの次世代機としては、標準モデルの「PS5」「Xbox Series X」に加え、それぞれ光学ドライブ非搭載の低価格版「PS5 Digital Edition」「Xbox Series S」というモデルが発表されている。
いずれも、まず注目すべきはそのグラフィック性能だ。PS5のグラフィック性能は最大10.28TFLOPS、Xbox Series Xは12.15TFLOPSと公表されている。前世代機はそれぞれ、PS4で1.84TFLOPS、PS4 Proで4.20TFLOPS、Xbox Oneで1.3TFLOPS、Xbox One Xで6TFLOPSであるため、少なくとも約2倍以上の性能を実現している。
PS初期からのユーザーであるというゲームジャーナリストの新清士さんは、「PS4の『Ghost of Tsushima』でも圧倒的なグラフィックだと感じたのに、ここからさらに性能が上がると考えると、5年先を見たハードという意味ではものすごいインパクト」と述べた。
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平さん(プロダクト・エヴァンジェリスト/教育リード)は「画面の美しさばかりが注目されるが、解釈できる画面上の情報が増えることでゲームの作り方も変わってくる」と、影響が作り手にも及ぶことを指摘した。
その他のスペックも前世代機から向上している。PS5は容量825GB(5.5GB/s)、Xbox Series Xは容量1TB(2.4-4.8GB/s)のSSDを搭載しており、ロード時間が減ることでユーザーの体験価値向上につながるという(前世代機の内蔵ストレージ容量は、PS4でHDD 500GB/1TB、PS4 ProでHDD 1TB/2TB、Xbox OneでHDD 500GB/1TB)。
3Dオーディオ技術として、PS5では「Tempest Engine」、Xbox Series Xでは「Dolby Atmos」を採用しており、テクニカルジャーナリストの西川善司さんはサウンドについても「両社とも気合が入っている」と評価する。
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