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企業のデータ活用を「守り」から「攻め」に変える――“クラウド時代のDX”をサポートする日本マイクロソフトの取り組みとは?

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 デジタルトランスフォーメーション(DX)がバズワードとなり、DXの一環としてビッグデータが注目され始めてから数年がたった。AI活用やデータ分析の後進国だと捉えられがちな日本でも、データ利活用の重要性に気付き、ビジネスに取り入れている企業は着実に増えている。その背景にあるのが、クラウドコンピューティングの発展だ。

 オンプレミスが主流だった時代は、分析基盤として高性能なストレージを使用する際などに多額の初期投資が必要になるため、基盤の構築に二の足を踏む企業が多かった。サーバなどのコンピューティングリソースを柔軟に拡張することもできず、分析できるデータの量も限られていた。

 それが今では、クラウド型のデータウェアハウス(DWH)のように、低コストで使い始められるデータベースが登場。クラウドサーバなどのITインフラも充実し、企業が分析用のリソースを自社で負担する必要はなくなった。

 「『データを使ってビジネスに必要な情報を可視化したい』という声は、実は20〜30年前からありました。ただ当時はマシンの性能が高くなく、ニーズも『紙の帳簿をデータ化したい』といった、コストダウンや業務効率化などの“守り”に向けたものが中心でした。一方、現代は当時とは打って変わり、付加価値を生むための“攻めのデータ活用”が可能になっています」

 日本マイクロソフトの田中研一氏(クラウド&ソリューション事業本部 インテリジェントクラウド第2統括本部 Azure 第三営業本部 Data & AI Specialist)は、テクノロジーと顧客ニーズの変遷をこう振り返る。

 データアナリティクス市場の発展と盛り上がりを踏まえ、日本マイクロソフトは現在、ビジネスに付加価値をもたらす “攻めのデータ活用”に対応した製品やサービスを数多く打ち出している。

Microsoft cloud+ Azure Synapse Analyticsで“攻めのデータ活用”へ

 その例が、日本マイクロソフトが「Microsoft cloud」と呼んでいる3種のクラウドサービスだ。1つ目は、ビジネスパーソンにおなじみのオフィススイート「Office 365」、2つ目がERPやCRMといった業務システムをSaaS形式で提供する「Dynamics 365」、3つ目がパブリッククラウドサービスの「Microsoft Azure」だ。

 これらのサービスはもちろん、業務用のアプリケーションやITインフラとしても個別に機能する。だが3サービスを組み合わせ、Office 365に蓄積されたコミュニケーション履歴やDynamics 365に蓄積された顧客データをAzure上で分析すると、さらなる威力を発揮する。ユーザー企業は分析結果をもとに、チーム内での意思疎通や顧客への提案内容、経営における戦略を改善できる。

 この際にデータ分析ツールとして役立つのが、米Microsoftが2019年11月にリリースした「Azure Synapse Analytics」。Azureを基盤としたツールで、同社が2015年から提供していた「Azure SQL Data Warehouse」をリブランディングしたものだ。

 データ分析の流れは一般的に、ETLツールなどを利用してデータを加工した上で、BIツールなどで内容を分析することが多く、異なるツールを使い分ける必要がある。一方、Azure Synapse Analyticsはこれらの異なるツールを統合し、Synapse Analytics Studioと呼ぶ管理画面からワンストップで提供している。グラフィカルなUIを使用しており、ノンプラグラミングでの操作にも対応。直感的な操作でデータ分析を行える。

 日本マイクロソフトはAzure Synapse Analyticsを使ったアーキテクチャの構築支援やコンサルティングなども手掛けており、田中氏は「従来のシステムをMicrosoftのものに素早く置き換えることが難しいお客さまもいらっしゃるので、スクラッチで構築されたシステムを拡張する形で、クラウド上に分析基盤を併設するなどのオーダーメイドの支援も提供しています」と説明する。

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“攻めのデータ活用”を実現する「Azure Synapse Analytics」

手厚いサポートで顧客企業のDXを支援

 こうした手厚いサポートの結果、企業がDXや“攻めのデータ活用”の推進に向けてAzure Synapse Analyticsを導入する例も増えている。昨今ではカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のCCCマーケティングが同サービス(当時の名称はAzure SQL Data Warehouse)を採用し、データ分析のシステムをオンプレミスから移行した。

 CCCマーケティングでは、親会社が手掛ける「Tポイント」のユーザー約7000万人の購買情報を分析し、その結果をもとにしたマーケティングのコンサルティングサービスを、6000社以上のアライアンス企業(Tポイント加盟企業)に提供している。

(前編)「Tポイント」7000万人の購買データに挑む──分析を速めた、執念のクラウド導入劇

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 「クラウドは必須だ。あえて、反逆者となる道を選んだ」とCCCマーケティングの松井太郎氏(ITシニアマネージャー)は笑う。2015年当時、クラウドに対する理解は社内でも現在ほど進んでいなかったという。品質面とセキュリティの観点からクラウド移行が難航を極めたのは想像に容易い。社内で奔走したプロジェクトメンバーに話を聞いた。


 全国のTポイントユーザーの買い物履歴が日々蓄積されることから、分析対象となるデータ量は膨大だが、Azure Synapse Analyticsを活用することでスピーディーな分析を実現できているという。

 田中氏は「オンプレミス時代は高度かつ素早い分析が難しかったようですが、現場主導でシステムを構築したことで、『データサイエンティストが多種多様なクエリを試したり、インスタンスを立てたりといったチャレンジがしやすくなりました』との声をいただいています」と明かす。

DXを専任体制でサポートする「クロスインテリジェンス・センター」

 日本マイクロソフトはこれらの他にも、ユーザー企業のDXを支援するための取り組みを、大きく分けて2つ行っている。その1つが「X(クロス)インテリジェンス・センター」。自社だけではDXをうまく進められない企業に対し、ワークショップなどを通じたコンサルティングを専任体制で提供するものだ。

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ユーザー企業のDXを支援する「クロスインテリジェンス・センター」

 「オンプレミス時代から続く、コスト削減などの“守り”のノウハウを持つ企業は多いですが、データを有効活用してビジネスを変革する“攻め”となると事情が異なります。方法論が確立されていないので、明確な答えがないことや、人材が足りないことに悩む企業もあります。そのようなユーザー企業と力を合わせ、最適解にたどり着くためのお手伝いをすることが、このセンターの使命だと考えています」と田中氏は意気込む。

 昨今は新型コロナウイルスの感染が拡大し、リアルなワークショップの開催が難しくなっていることから、現在はオンラインの開催に切り替えている。これがかえってユーザーから好評だといい、田中氏は「『リアルよりも多くの情報を引き出せる』との声をいただいています。今後もいろいろなツールを駆使して、データ活用やDXを支援していきます」と語る。

ユーザー企業の分析プロジェクトにMSが参加する「データハック」

 2つ目の支援策「Data Hack」(データハック)は、日本マイクロソフトのデータサイエンティストやアーキテクトが、ユーザー企業のデータ分析プロジェクトの導入フェーズに数日〜1週間参加し、(1)導入のアセスメント、(2)データの準備、(3)モデル作成と評価、といったプロセスを無償でサポートするものだ。

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日本マイクロソフトがユーザー企業の分析プロジェクトに参加する「データハック」

 ただ、システムの肝となるデータ分析の仕組みは、ユーザー企業の担当者に実装を任せている。「データ活用のスキルは、ご自身で実装を担当してはじめて身につくと考えています。この手法によって、分析基盤の構築と運用を内製化できる人材育成をサポートし、企業の人材不足の解消を目指しています」と田中氏は狙いを語る。

 データハックは2018年に開始して以来、幅広い業種の20社・22部門で実施した。その中には、システム部門ではなく業務部門のデータ分析プロジェクトもあったという。

 田中氏は「データ分析ニーズの高まりと共に、業務部門の支援に入る機会が増えています。これは良い傾向だと捉えています。ビジネスの現場で日々リアルにデータを扱っている担当者だからこそ、実務に即したシステムを構築できるケースは確かにあります」と近年の傾向を分析する。

サービスの根底にある「デジタル・フィードバック・ループ」とは

 日本マイクロソフトは、こういったサービスや支援の仕組みを「デジタル・フィードバック・ループ」という考え方を基に構築している。デジタル・フィードバック・ループとは、顧客との取引、管理業務、製造やサービスの現場、社員間のコミュニケーションといった、日々の業務から生み出されるデータを分析して「インテリジェンス」を生み出し、データの価値をさらに高めようという概念だ。

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日本マイクロソフトが重視する概念「デジタル・フィードバック・ループ」

 インテリジェンスとは、レコメンド(推薦)、レコグナイズ(認識)、プレディクト(予測)、ディテクト(検知)、クラスタリング(分類)などを指す。ユーザー企業のシステム部門やデータサイエンティストは、これらによって得た知見を自部門にとどめるのではなく、社員や顧客、そして製品・サービスなどにフィードバックすることで、人と人、部門と部門のつながりを醸成・強化できる。このポジティブな連鎖(ループ)を繰り返すことで、顧客企業のDXはさらに加速する――というのが、日本マイクロソフトの考えだ。

多様なツールで日本企業を“攻めのデータ活用”に導く

 企業のクラウドシフトは今後さらに加速し、データアナリティクスの市場もさらに盛り上がることが想定される。だが、全ての企業が、データ分析システムの構築や人材育成を内製できるわけではない。変革へのモチベーションは高いものの、適切なツールやシステム構築の方法、データ分析の手法などで迷う企業もあるだろう。

 そうした中で、Microsoft cloud、Azure Synapse Analytics、クロスインテリジェンス・センター、データハックなど、デジタル・フィードバック・ループの概念に基づくサービスを提供できる日本マイクロソフトは、日本企業を“攻めのデータ活用”へと導く心強いパートナーと言えそうだ。

(後編)データから新たな価値を創造 スピードと柔軟性を併せ持つ、Microsoftのデータ活用プラットフォーム「Azure Synapse Analytics」の実力とは

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 Microsoftが特に力を入れ、テクノロジーを結集して作り上げたデータ活用プラットフォーム「Azure Synapse Analytics」。CRMやERPに保存されたデータや、IoTデバイスが収集したデータなどを統合・分析し、ユーザー企業に新たな知見をもたらすのが特徴だ。

 その詳しい仕組みと活用メリット、旧サービス「Azure SQL Data Warehouse」から進化したポイントを、日本マイクロソフトのData & AI Specialistに聞いた。



提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2020年11月7日

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