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炊きたてご飯の香り成分の測定に成功 福井大など研究グループ
福井大と福井県はこのほど、正確な測定が難しいとされていた炊きたてご飯の香り成分の正確な測定に成功したと発表した。成分分析の結果、甘い香りと爽やかな香りがあることが判明した。
これまで正確な測定が難しいとされていた、炊きたてご飯の香り成分の正確な測定に成功したとする研究結果を、福井大学と福井県農業試験場の研究グループがこのほど発表した。
炊きたての福井県のブランド米「いちほまれ」の香りを分析したところ、子供向けの薬用シロップのような甘い香りの「4−ビニルフェノール」と、低濃度ではジャスミンのような香りだが高濃度では防虫剤のような匂いになる「インドール」の2種類を検出できたという。
実験では炊きたてのご飯のすぐ上に、揮発性の高い物質を吸着できる棒状の樹脂を蒸気にかざして成分を採取。樹脂に米の香りを吸着させた後、成分を分離し、レーザー光でイオン化した。イオンを質量分析法にかけたところ、4−ビニルフェノールとインドールを検出できたという。検出された成分のうち、インドールは炊飯器で保温していると急激に減少する他、収穫から時間がたっても減少することが分かった。
通常、ご飯のおいしさを評価する「食味官能試験」では、「見た目」「香り」「味」「粘り」「硬さ」の5要素で評価する。ご飯の見た目や食感は画像解析や機械で測定できる一方、香りは揮発性が高く、正確な測定は困難とされていた。
今後、研究グループは消費者の好みに合ったお米の提案ができるよう、他品種との香りの違いなどについても研究を進めるとしている。
研究成果は、米国化学会の学術誌「ACS Omega」に8月4日付で掲載された。
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