日立、社内での押印を廃止 21年度めど 紙は5億枚削減へ
日立製作所が、2021年度中に社内での押印を全面的に廃止すると発表。今後は電子署名サービスへの移行を進める。グループ全体でのペーパーレス化も進め、20年度は国内事業で使う紙を、19年度から約5億枚少ない2億枚に減らす。
日立製作所は10月26日、2021年度中に社内での押印を全面的に廃止すると発表した。20年10月に、日立グループの商品でもある電子署名サービスを自社で採用し、営業や調達など一部の業務で使い始めた。今後は電子署名への移行を進めつつ、社外取引での押印を減らせるように関係各所と調整する。グループ全体でのペーパーレス化も進め、20年度は国内事業で使う紙を、19年度から5億枚(約7割)少ない2億枚に減らす計画だ。
日立製作所はこれまで、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて在宅勤務を採用していたが、従業員が押印のために出社する場合があった。今後は“はんこ出社”の削減に向けて電子署名を取り入れ、21年4月をめどに、在宅勤務を標準とする新しい勤務制度を導入する予定だ。
新たな制度では、自宅に加えて「ベースオフィス」(従来型オフィス)とサテライトオフィスでの勤務も認める。3つの環境で取り組める仕事の内容を分け、従業員が業務に応じて働く場所を選べるようにする。ベースオフィスにはフリーアドレスを取り入れ、コミュニケーションスペースや遮音ブースなども設ける予定だ。
リモートでの作業効率を高められるように、外部ネットワークに接続しても通信が遅延しにくい新しいクライアントPCを21年1月に配布する。日立製作所の管理職8000人などを対象に、リモートでのコミュニケーションを円滑化するための研修も行う。
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