KDDI、MVNO運営の新会社 eSIM活用でオンライン特化 デジタルネイティブ世代に訴求
KDDIが、新たなMVNOサービスを運営する子会社「KDDI Digital Life」を11月2日に設立。端末組み込み型のSIMカード「eSIM」を活用し、手続きをオンライン化することで、デジタルネイティブ世代などに訴求する。
KDDIは10月30日、新たなMVNOサービスを提供する完全子会社「KDDI Digital Life」(東京都千代田区)を11月2日に設立すると発表した。新ブランドでは端末組み込み型のSIMカード「eSIM」を活用し、手続きをオンライン化することで、スマートフォンやネットを使い慣れている「デジタルネイティブ世代」などに訴求するという。
ブランド名は未発表。開始後は、ユーザーが利用状況に応じてサービス内容や料金をカスタマイズできるプランを提供する予定。運営や開発には、シンガポールの通信事業者Circles Asiaが協力する。
KDDIの高橋誠社長は、価格設定について「MVNOだからと言って安いとは限らない。シンガポールでは(顧客の)カスタム内容次第でMNOより高額になる可能性もあると聞いており、いろんなことにトライしたいと思っている」と話した。
Circles Asiaを協業先に選んだ要因については「アプリケーションのカスタマイズや料金システムの作り方など(Circles Asiaが)シンガポールで作っているものをカスタマイズして持ってくるだけなので(開発が)早いのが魅力だと思った」(高橋社長)と説明した。
上期は減収増益、総務省の行動計画は「来期以降にいくばくかの影響」
KDDIが同日発表した2021年3月期第2四半期累計(20年4〜9月)の連結決算は、売上高が2兆5371億9600万円(前年同期比1.1%減)、営業利益が5887億6300万円(同6.4%増)、純利益が3728億9900万円(同7.3%増)と減収増益だった。
個人・法人向けモバイル端末の販売収入が落ち込んだため減収したが、それに伴う販売コストの減少などで増益となった。下期は5Gスマートフォンの販売を強化して増収を目指すとしている。
21年3月期の通期業績予想は、売上高は5兆2500億円(前期比0.2%増)、営業利益は1兆300億円(同0.5%増)、最終利益は横ばいの6400億円のまま据え置く。
高橋社長は決算会見で、総務省が27日に発表した、モバイル市場の公正な競争を後押しする行動計画についても言及。「今期の業績にあまり影響はないが、来期以降はいくばくかの影響は出てくると思う。来年のプランを年末頃から作らねばならない」と話した。
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