東京ドーム7個分! 巨大データセンターを千葉に建設、大和ハウスの狙い(1/2 ページ)
大和ハウス工業が10月から、千葉県印西市の「千葉ニュータウン」内で巨大なデータセンターを建設中だ。総延べ床面積は約33万平方メートルで、東京ドーム約7個分に相当する。この施設を使ってどんなビジネスを始めるのか。
総敷地面積が23万5000平方メートル、総延べ床面積が約33万平方メートル――大和ハウス工業は10月から、千葉県印西市の「千葉ニュータウン」内で巨大なデータセンターの建設を進めている。総延べ床面積は東京ドーム約7個分に相当し、日本トップクラスの規模になる見込みだ。
工事は段階的に進めていて、全ての建物が完成するのは2030年の予定。敷地内には15棟のデータセンターを建てるだけでなく、最大1000MWの電力を供給できる超高圧変電所(東電パワーグリッドが運営予定)も誘致する力の入れようだ。
戸建て住宅やマンション、商業・産業用施設など、不動産の建設や運用を幅広く手掛ける大和ハウス工業だが、データセンターに手を広げるのは初めて。業界的には、データセンターの建設案件は珍しくはないが、鹿島建設や大成建設、清水建設などのゼネコン大手が請け負うことが多いという。
その中で大和ハウス工業がこの事業に本格参入するのはなぜか。
データセンターを貸し出し、クラウドベンダーから“家賃”を得る
「建設自体はコロナ禍の前から計画していたが、テレワークの普及でクラウドサービスの利用が急増し、提供元のベンダーでデータセンターを拡張する需要が高まってきた。そこで、当社のデータセンターにハードウェアを置いてもらうことで“家賃”を得るビジネスを始めたい」
取材に対してこんな狙いを明かしたのは、大和ハウス工業の更科雅俊氏(東京本店 建築事業部 事業部長)だ。
コロナ禍以前は、クラウドベンダーなどがゼネコンなどにデータセンターの建設を依頼し、完成後は自社物件として所有するケースが多かった。だが現在は、テレワークの普及でクラウドサービスの利用が急増。既存のデータセンターではリソースが足りなくなり、コストを抑えてデータセンターを間借りする需要が高まると更科氏はみている。
その見立て通り、建設中のデータセンター15棟のうち7棟は、オーストラリアのデータセンター事業者・Airtrunkが入居する予定になっている。7棟の建設は、大和ハウス工業とAirtrunkの共同出資会社が担当し、竣工後にAirtrunkに貸し出す形になる見込みだ。
【訂正:2020年11月16日午後9時 初出時は「竣工後にAirtrunkに貸し出す形になることも決まっている」と記載していましたが、追加の事実確認に基づいて表記を改めました。】
残る8棟に入居する事業者は未定だが、更科氏は「さまざまな企業と話していきたい」とし、日本マイクロソフトやアマゾンウェブサービスジャパンといった大企業への貸し出しも候補に入ってくると意気込んだ。住宅事業で培ったノウハウを生かし、データセンターの提供形態も拡充する方針で、「賃貸だけでなく、分譲や建て売りにも手を広げたい」という。
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