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ツイート規制のTwitterからのエクソダスを受け入れるParlerのユーザー急増

米大統領選後、“言論規制された”としてTwitterから多数の著名人が流入しているSNSサービス「Parler」。米国ではユーザーが急増中だ。言論の自由を約束し、中立な立場だと謳うが、WSJによると保守系投資家マーサー家が出資している。

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 Twitterで“言論統制された”とする多数の著名人が、“言論の自由を約束する”と謳うSNSサービス「Parler」に活動の場を移している。彼らがTwitterのフォロワーに「Follow Me On Parler!」と呼びかけていることもあり、米国での同アプリのダウンロードが急増している。

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Parlerのトップページ

 例えば以下は、今回の米大統領選でドナルド・トランプ氏陣営を支援したネバダ州の弁護士、アダム・ポール・ラクサール氏のツイート。「私はネバダ州の選挙問題について発言してきたが、IT大手は私のように真実を明らかにしようとする人々を検閲し続けている。最新情報を入手するには、言論の自由を約束するプラットフォームParlerで私をフォローしてほしい」という。


 (本稿執筆現在、トランプ氏の公式アカウントはまだ確認できない。)

 トランプ大統領寄りの報道で知られるFox Newsの人気番組でアンカーを務めるマリア・バーティロモ氏もツイートにラベルを付けられ、現在はTwitterとParlerに並行して投稿(Parlerの場合は「Parley」)している。同氏のTwitter上でのフォロワーは約91万人。Parlerではまだ4回しか投稿していないが、既に130万フォロワーを獲得済みだ。

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マリア・バーティロモ氏のParlerのページ

 Twitterは12日(現地時間)、10月27日〜11月11日の間に約30万件のツイートに、不正確な情報だというラベルを付けたと発表した。

 Parlerは2018年創業のネバダ州ヘンダーソンに拠点を置く非公開企業が提供する同名のSNS。iOSおよびAndroid向けアプリ、Webサイトでアカウントを作ると、発言したり投稿を閲覧したりできる。日本でもアプリを提供している。ログインするには携帯電話番号が必要だ。

 米The Vergeによると、大統領選本番の11月3日から8日までに98万回ダウンロードされ、9日の段階でGoogle Playストアのランキングで首位に立ったという。

 Parlerの概要には「“プラットフォーム外し”を恐れずに自由に自分を表現できる場」であり、「Botではなく、リアルな人々と関わり合える。Parlerは人間とプライバシーを重視しており、体験を自分でキュレートするためのツールを提供している」とある。

 アカウントを作ってログインすると、まず好みのカテゴリーを選択する画面になる(選択しないことも可能)。その次にはフォローしたい著名人を選ぶ画面になる(これも選択しなくてもいい)。筆者の場合、お勧め著名人のトップは共和党の上院議員、テッド・クルーズ氏だった。プラットフォームは中立の立場としているが、リストには保守系のジャーナリストや活動家が多い。

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設定画面

 Parlerは、ユーザーのタイムラインに表示される投稿をキュレートしない。つまり、ユーザーがフォローする相手の投稿をただ時系列に表示するだけだ。見たくない投稿はユーザーが自ら非表示にしたり、暴力やヘイトスピーチを非表示にするフィルターを設定することはできるが、「われわれにキュレートする資格があるとは考えていない」という。ただし、コミュニティガイドラインに違反する投稿やアカウントはTwitterと同様に削除する。

 米Wall Street Journalによると、保守派のヘッジファンド投資家として知られるロバート・マーサー氏の娘、レベッカ・マーサー氏がParler出資者の1人という。マーサー家は、2016年の米大統領選でトランプ陣営が採用し、後に個人情報の不正利用で提訴されたCambridge Analytica(CA)を支援していたことで知られる。

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