Google、VSCodeの代替を狙う「Eclipse Theia」コードエディタをクラウド統合開発環境として採用 Google Cloud Shellに統合を発表
Googleが、「Cloud Shell」の新機能としてコードエディタ「Cloud Shell Editor」を統合。開発者はプログラムをすぐにデプロイし、実行し、デバッグできる。クラウド主要3社がWeb IDEを自社サービスに統合した。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Google、VSCodeの代替を狙う「Eclipse Theia」コードエディタをクラウド統合開発環境として採用。Google Cloud Shellに統合を発表」(2020年11月10日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Googleはこのほど、Google Cloudをコマンドラインで操作できる「Cloud Shell」の新機能として、プログラミングのためのコードエディタ「Cloud Shell Editor」を統合すると発表しました。
Cloud Shell EditorはWebブラウザ上で動作するコードエディタです。Go、Java、.NET、Python、Node.jsなどのプログラミングに対応。
すでにプレビュー版として利用可能。下記は実際に起動した画面です。
見て分かる通り、まるでVisual Studio Codeの画面そっくりです。
これはCloud Shell Editorに採用されたコードエディタ「Eclipse Theia」が、Eclipse Foundationによって「真のオープンソースによるVisual Studio Codeの代替」を目指して開発されているソフトウェアであるためです。
【参考記事】:Visual Studio Codeの代替を狙う統合開発環境「Eclipse Theia 1.0」リリース。VS Codeの拡張機能を利用可能、デスクトップ版とWebブラウザ版に両対応
Eclipse TheiaはVisual Studio Codeと同様に、コードエディタを基本機能とし、デバッガ、Git連係などの機能に加え、コード補完や文法チェックを実現するオープンな標準であるLanguage Server Protocolに対応。
ファイルエクスプローラーやターミナル機能なども統合。Cloud Shell Editorでは上記の画面で分かる通り、Google Cloud Shellがデフォルトでターミナルから利用できます。
Cloud Shell EditorはGoogle Cloudの統合開発環境
Cloud Shell Editorは、ユーザーが利用を開始する際にGoogle Cloud上で専用の仮想マシンが立ち上がり、その仮想マシンををサーバにしたWebフロントエンドとして起動されます。
サーバとなる仮想マシンにはKubernetesの環境と、コンテナ用のサーバレス環境であるGoogle Cloud Runの環境が構成されています。
そのため、開発者はこれらを基盤としたクラウドネイティブなアプリケーションのプログラミングをCloud Shell Editorで行うと、すぐにデプロイし、実行し、デバッグができるようになっています。
Googleは下記の図で、Cloud Shell Editorがクラウドネイティブに関するプログラミング、デバッグ、実行などさまざまな機能を統合したものであることを示しています。
クラウド開発環境はどんな方向へ進んでいくのか
これでAWS、Microsoft、Googleのクラウド主要3社がWeb IDEを自社サービスに統合したといえます。
Googleは今回のCloud Shell Editorで「Eclipse Theia」を統合。
MicrosoftはVisual Studio Codeをベース、GitHubにWeb IDEを統合した「GitHub Codespaces」を5月に発表。
【参考記事】:GitHub、WebIDEの「Codespaces」を発表。GitHubからワンクリックで開発環境へ。GitHub Satellite 2020
AWSは2017年12月に「AWS Cloud9」を発表しています。
【参考記事】:[速報]AWS Cloud9登場。クラウドネイティブな統合開発環境、ペアプロ機能も。AWS re:Invent 2017
クラウドベンダーが自社のクラウドサービスの利用を促進するうえで、使いやすい開発環境をそれぞれ用意するのは理にかなっている一方、多くのプログラマーは特定のクラウドに依存しない開発環境の利用を望むでしょう。
と同時に、プログラミング環境がWeb化していくことも大きなトレンドの1つと見られています。
こうしたせめぎあいのなかで、今後クラウドの開発環境はどの方向へ進化していくのか、これから数年はその方向性を見極める時期になるのかもしれません。
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