「Google Pay」、口座サービス「Plex」やワリカン機能追加、ロゴ変更などの大幅刷新(まずは米国で)
Googleのモバイル決済アプリ「Google Pay」が米国で大幅に刷新された。「あなたと友人、企業との関係を中心に設計」し、ワリカン確認ツールやクーポンの自動追加、財務管理機能などが追加された。来年にはCitigroupなどの銀行との提携による口座サービス「Plex」も始動する。
米Googleは11月18日(現地時間)、2018年に立ち上げた決済サービスアプリ「Google Pay」の大幅刷新を発表した。まずは米国のGoogle Play StoreとApp Storeで新バージョンの提供を開始した。
従来のNFCによるモバイル決済サービス中心の機能に、新たに特定の支払いやワリカンを管理しやすくする機能と、自分の財務管理を支援する機能を追加した。さらに、来年にはうわさされていた預金口座機能も「Plex」という名称で追加する。
Googleは今回の刷新に当たってはユーザーと「友達や企業との関係を中心に設計」し、節約を助けることを目的にしたと説明する。ユーザーの履歴を使い勝手向上に反映させる機能も追加したが、これはオプトイン(ユーザーが選ぶまで無効)で、そのために保存する履歴を広告などに流用することはなく、プライバシーを安全に保つために複数のセキュリティレイヤーを構築したとしている。
アプリ画面下部に並ぶ3つのタブが現行の「ホーム」「支払い」「パス」から「Explore」「Pay」「Insights」に変わる。
「Explore」は従来の「パス」に当たるポイントプログラムなどをまとめるタブで、「Pay」は従来の「ホーム」と「支払い」のタブを統合したような機能を担い、「Insights」はこれまでになかった財務管理のためのタブだ。
「Pay」には、頻繁に金銭のやりとりをする友人と企業が表示される。ここで支払いや過去の取引の確認ができる。例えば立て替えたコーヒー代を友人に請求したり、シェアハウスで誰かがトイレットペーパーを買ってくれたらシェアしているメンバー全員が公平にその人にワリカン分を支払ったりする機能もある。誰がまだ支払っていないかなどもチェックできる。
このタブではまた、10万以上のレストラン、3万以上のガソリンスタンド、400以上の駐車場での料金支払が可能だ。
「Explore」タブには、提携する小売業者のクーポンやプロモーションコードを自動的に表示する。これらのクーポンをタップするだけで有効にでき、支払いの際に自動的に適用される。
「Insights」には、現在のGoogle Payに登録してある所持金と、その月に支払った金額が表示され、その下に最近の決済アクティビティがリストアップされている。このタブで例えば「食べ物」を検索すると、その月に食費にどのくらい使ったかが分かる。銀行口座やクレジットカード情報を接続しておけば、かなり正確な財務管理が可能になりそうだ。
預金口座「Plex」は、Googleが銀行業務を担うのではなく、提携する銀行あるいは信用組合(Credit Union。銀行のような米国特有の組織)が財務処理を行う。まずは米Citigroupと米Stanford Federal Credit Union(SFCU)と提携した。2021年以降に、米国の11の銀行と信用組合と提携する計画。手数料や最低残高要件はなく、積立目標達成を支援するツールなどを備える。
日本など、米国以外の国で提供するのか、提供する時期などは不明。
Googleによると、Google Payは世界30カ国で1億5000万人以上が毎月使っているという。
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