楽天、唾液で分かる新型コロナPCR検査キットを団体向けに提供 「十分な検出感度ある」
楽天が「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット」の提供を始めた。自宅や職場で検体を採取し、検査は提携する医療機関で行う。価格は1検査につき5478〜8778円。
楽天は11月25日、「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット」の提供を始めた。企業や自治体、学校などの団体が対象。自宅や職場で検体(唾液)の採取が可能で、検査は提携する医療機関で行う。価格は1検査につき5478〜8778円(税込)。
PCR検査で使う試薬を開発しているタカラバイオ(滋賀県草津市)と共同で、新型コロナウイルスの感染力を失わせる「不活化溶液」と唾液採取容器を開発。検査を受ける人は、容器に唾液を入れ、不活性化溶液を混ぜて密封し医療機関に提出する。結果は医療機関に検体が到着してから3営業日以内に通知する。
キットを使った検査は感度が90%以上、特異度が100%としている。この数値は、陽性だと判断された場合にはほぼ間違いなく陽性といえるが、実際の感染者のうち10人に1人未満の割合で感染の見逃しが発生しうることを示している。楽天は、「一般的な検査方法(感染研法)と比較して、新型コロナウイルス検査に十分な検出感度を持っていることを確認した」としている。
陽性の場合は、楽天が提携する医療機関が診断を行い、保健所に届け出るかどうか判断する。追加の診断で医師が陰性であると認めた場合は陰性証明書の発行も行う。
任意の受検者調査も行い、検査を受けた人の情報を個人情報が特定されない状態で中央省庁や自治体などに提供する。
楽天は、4月にも新型コロナウイルスの感染を疑い不安に思う人が、感染の可能性を自己判断するためのPCR検査キットを法人向けに販売していた。その後、製造元のジェネシスヘルスケア(東京都渋谷区)で経営体制の変更があり、販売を見合わせている。
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