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AIで特殊詐欺を検出するサービス、NTT東西が提供 音声認識で会話を分析
NTT東日本とNTT西日本が、AIを活用し、電話による特殊詐欺を防ぐサービスを30日から提供する。レコーダーで通話内容を録音し、AIによる解析で詐欺かどうか判別する仕組み。
NTT東日本とNTT西日本は11月27日、AIを活用して電話による特殊詐欺を防ぐサービスを、NTTの電話サービス利用者に向けて30日から提供すると発表した。利用料は月額440円(税込、以下同)。別途8800円(装置を契約者自身が取り付ける場合は4400円)の初期費用が発生する。
固定電話に専用の装置を取り付け、レコーダーで会話を録音。通話後に音声データをNTTのクラウドに転送し、AIが音声認識技術でテキスト化した後、不審な言葉の有無や文脈を基に特殊詐欺かどうか判別する。詐欺と判断した場合には、契約者やその親族のメールアドレス・電話番号に警告を送る機能も備える。
あらかじめ装置に電話番号を登録しておけば、その番号からの着信を拒否したり、録音やAIによる解析の対象外になるよう設定したりできる。AIには警察と協力して集めた数百件のデータを学習させているという。
対応する電話サービスは「加入電話」「加入電話ライト」「INSネット64」「INSネット64ライト」。準備が整い次第「ひかり電話」「ひかり電話A」にも対応する予定。
NTT東日本らが2019年に行った実証実験で、有効性が確認できたためサービス化したという。約1万件の契約を見込むといい、NTT東日本の一ノ瀬勝美さん(ビジネス開発本部部門長)は「特殊詐欺被害の抑止につながれば」と話している。
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