SpaceXの新Cargo Dragon、ISSに自動ドッキングへ Crew Dragonとしばらく同居
SpaceXが、有人宇宙船「Crew Dragon」を改造した新しい貨物船をISSに向けて打ち上げた。日本時間の12月8日午前3時頃、ISSに自律ドッキングする予定。従来より大容量になったDragonには初の商用エアロックなどが積載されており、野口聡一氏らを乗せていったCrew Dragonと約1カ月一緒にISSに接続状態になる。
米SpaceXの新型貨物船「Dragon」が12月6日午前11時17分(米東部時間)にフロリダ州のNASAケネディ宇宙センターから「Falcon 9」ロケットで打ち上げられた。Dragonは7日午後1時半頃(日本時間の8日午前3時頃)に野口聡一氏らが待つ国際宇宙ステーション(ISS)に自律ドッキングする見込みだ。
この貨物用Dragonは、6月にISSに打ち上げられた有人宇宙船「Crew Dragon」の改良版で、貨物船としては初の自律ドッキングになる。また、従来の貨物船よりも貨物量が20%増え、耐久性も上がった。ISSへの接続を従来の2倍以上維持でき、地球との往復を最大5回まで対応できるよう設計されている。
Dragonを打ち上げたFalcon 9は無事海上ドローン「Of Course I Still Love You」に帰還。これがFalcon 9にとって100回目の着陸になった。
貨物Dragonには軌道実験室で予定されている250以上の科学実験および研究調査のための消耗品や機器、現在7人でISSに滞在中の宇宙飛行士のための日用品などが積載されている。
今回輸送される物資の中には、ISSとしては初の商用エアロック「Nanoracks Bishop Airlock」も含まれる(エアロックは、宇宙飛行士が船外活動のために船外に出る際に経由するモジュール)。Bishopは、現行のJAXA製エアロックの5倍の容量を持ち、船外活動のための外部ツールボックスとしても機能する。
ISSには現在、11月に野口氏らをISSに届けたCrew Dragonがドッキングしており、半年はそのままの予定だ。2台のDragon宇宙船がISSにドッキングした状態になるのはこれが初。貨物Dragonは約1カ月ISSに取り付けられたままになり、その後研究成果の一部と返送貨物を積載して地球に戻る見込み。
貨物Dragonのドッキングの様子はNASAがライブ配信する計画だ。
【更新履歴:2020年12月7日午後1時50分 ISSに2台の宇宙船がドッキングするのは初ではないとご指摘をいただきました。お詫びして訂正します。】
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