AWS、クラウド障害をわざと起こす「AWS Fault Injection Simulator」発表 カオスエンジニアリングをマネージドサービスで:AWS re:Invent 2020
米AWSが、「AWS Fault Injection Simulator」を発表。アプリケーションに対してクラウド障害のシミュレーションを行える新サービス。マネージドサービスとして提供する。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「[速報]AWS、クラウド障害をわざと起こす「AWS Fault Injection Simulator」発表。カオスエンジニアリングをマネージドサービスで実現。AWS re:Invent 2020」(2020年12月16日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Amazon Web Services(AWS)はこのほど、開催中のオンラインイベント「AWS re:Invent 2020」で、アプリケーションに対してクラウド障害のシミュレーションを行える新サービス「AWS Fault Injection Simulator」を発表しました。
クラウド上で稼働するアプリケーションの耐障害性などを高めるために実際にクラウド障害をわざと発生させて問題点をあぶりだす手法は、「Chaos Enginieering(カオスエンジニアリング)」と呼ばれています。
米Netflixが2012年にカオスエンジニアリングのためのツール「Chaos Monkey」を公開したことで広く知られるようになりました。
参考:サービス障害を起こさないために、障害を起こし続ける。逆転の発想のツールChaos Monkeyを、Netflixがオープンソースで公開
今回発表された「AWS Fault Injection Simulator」は、AWS自身がこのクラウド障害のシミュレーターをマネージドサービスとして提供するというものです。
わざとAPIやデータベースの障害と同等の状況を作り出すことで、実際のクラウド障害をシミュレートできます。
AWS Fault Injection SimulatorのWebページから機能の説明を引用します。
With Fault Injection Simulator, teams can quickly set up experiments using pre-built templates that generate the desired disruptions, such as server latency or database error. Fault Injection Simulator provides the controls and guardrails that teams need to run experiments in production, such as automatically rolling back or stopping the experiment if specific conditions are met.
Fault Injection Simulatorによって、サーバの遅延やデータベースといった望みの障害の試験を、あらかじめ定められたテンプレートを用いて迅速に設定できます。Fault Injection Simulatorは、本番環境の試験における自動ロールバックや特定条件に合致した際の障害の停止などを管理下で確実に実行します。
AWS Fault Injection Simulatorは2021年早期に登場予定です。
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