JAXAとヤマトHD、“空飛ぶ宅配”用コンテナの空力形状を開発 高速移動の空気抵抗を考慮
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とヤマトホールディングスは、「物流電動垂直離着陸機」(物流eVTOL)に装着する輸送用コンテナに適した空力形状を開発したと発表した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とヤマトホールディングスは12月18日、ヘリコプターのように垂直に離着陸し、航空輸送ができる「物流電動垂直離着陸機」(物流eVTOL)に装着する輸送用コンテナに適した空力形状を開発したと発表した。陸上輸送にも対応し、輸送用トラックに搭載できる形状だという。
輸送用コンテナの名称は「PUPA8801」(ピューパ8801)。ヤマトHDが開発したコンセプトモデルを基にJAXAが航空技術を用いた検証を行い、高速で空気中を移動する際の空気抵抗などを配慮したコンテナの空力形状を設計。陸上輸送にも活用するため、荷物を運ぶ既存の荷役台と併用できるよう直方体に近い形になったという。
“空飛ぶクルマ”とも称されるeVTOLは、渋滞を避けた移動や迅速な輸送手段の確保につながると期待されている。ヤマトHDは2019年8月、米ヘリコプターメーカー大手のBellと共同でeVTOLの実証実験を行い、飛行時の安全を確認したと発表。新たな輸送手段としてeVTOLを活用したサービスの実用化を進めている。
今回の開発を踏まえ、JAXAは物流eVTOLなど次世代のエアモビリティの開発で航空技術の活用を進め、ヤマトHDは2020年代前半までに航空輸送のサービス実用化を目指すとしている。
【編集履歴:2020年12月18日午後8時25分 初出時、輸送用コンテナを開発したとしていましたが、正しくは輸送用コンテナの「空力形状」でした。お詫びして訂正いたします】
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