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コロナ禍のJクラブ経営危機 “投げ銭”や“クラファン”に活路を見出したメルカリ鹿島の2020年(4/4 ページ)

Jリーグの2020年シーズンが終わろうとしている。今シーズンはコロナ禍での長期中断で、各チームにとって難しいシーズンとなった。2019年にメルカリが経営権を取得し、クラブ経営に参画した鹿島アントラーズも同様だが、“投げ銭”や地域のDX化など新たな収益モデルに挑戦をしたシーズンでもあった。クラブトップが今シーズンを振り返る。

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メルカリのクラブ経営 地元市長はどう見ている?

 メルカリが鹿島アントラーズの経営権を取得してから1年余り。鹿嶋市の錦織孝一市長が日本製鉄から内々に経営権の変更を聞いたのは19年6月ごろ。地元の市長として、当初は「話が違う」と反発したという。

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メルカリへの思いを語る錦織市長

 だが、小泉社長が打ち出した「地域貢献」「ITを使ったスマートシティー」という言葉とその熱意に心を動かされた。錦織市長はPCR検査をドライブスルーで行う際、クラブ側がスタジアムを検査場として提供したエピソードを出し、「経営権を取るためにきれいごとをいっぱい並べることはよくあるが、ここ1年余り、社長は自分で言ったことはきちんと実現してくれている。大変ありがたいことだ。自分の思いとしてはメルカリに入ってもらい本当によかった」と高く評価。

 職員のIT教育にクラブが尽力してくれているといい、「役所には優秀な職員がたくさんいるが、行政としてはデジタル化が得意ではない。行政が足りない部分を教えてもらいながら、将来に向けて、鹿嶋市とこれからも一緒になってやっていきたい」とエールを送った。

 コロナの影響で長期中断があった今シーズン。小泉社長は2020年シーズンを「コロナで働き方もデジタル化も進み、収入源の新たなチャレンジができた。悪かった部分もあったが、将来的にやろうと思っていたことが前倒しでできた」と振り返った。

 鹿島アントラーズは2021年に創設30周年を迎える。小泉社長は来シーズンに向け、「『デジタル×エンターテインメント』をキーワードに、さまざまなコンテンツを出すつもりだ」とし、「安心安全に観戦できるようにテクノロジーを導入しつつ、次のエンターテインメントの見せ方、一歩進んだ街づくりを皆さんに届けたい」と抱負を述べた。

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錦織市長(左)と小泉社長(右)
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本拠地の県立カシマサッカースタジアム
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