ソフトバンク元社員逮捕 5Gの営業秘密を転職先・楽天モバイルに持ち出しか
ソフトバンクの元社員が、不正競争防止法違反の疑いで逮捕。5G通信に関する機密情報を、転職先である楽天モバイルに不正に持ち出した可能性がある。
ソフトバンクは1月12日、元社員が不正競争防止法違反の疑いで警視庁に逮捕されたと発表した。5G通信などに関する営業秘密を、転職先である楽天モバイルに不正に持ち出した可能性があるという。
ソフトバンクによれば、持ち出されたのは4G・5Gネットワーク用の基地局や、基地局と交換機を結ぶ固定通信網に関する情報。いずれもソフトバンクの営業秘密に該当する。元社員はユーザーの個人情報や顧客企業の情報にアクセスする権限を持っておらず、これらの情報は流出していないという。
元社員はソフトバンク在籍時、同社と秘密保持契約を結んだ上で、ネットワーク構築などに従事していた。2019年11月に退職希望を提出し、同年12月に退職したが、その間に営業秘密を不正に持ち出した疑いがある。その情報は現在、元社員の楽天モバイルの業務用PCに保管されている可能性が高いという。
ソフトバンクによれば、楽天モバイルがすでに持ち出された情報を業務で利用している可能性もあるという。ソフトバンクは今後、楽天モバイルに対して当該情報の利用停止と廃棄を求める民事訴訟を提起する予定。元社員への損害賠償請求も検討中という。
ソフトバンクが情報流出に気付いたのは20年2月。元社員に貸与していたPCを検査したところ、5G通信などの営業秘密が持ち出された形跡を発見したという。
ソフトバンクは再発防止策として、役員を含む全社員へのセキュリティ研修や、退職予定者のアクセス権限の見直しといった措置を20年3月以降に実施した。
【編集履歴:2021年1月12日午後3時31分 タイトルを修正しました】
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