Amazon、アレクサのウェイクワードや声、機能などカスタマイズできる「Alexa Custom Assistant」発表
Amazon.comが「Alexa Custom Assistant」を発表。Alexaのウェイクワードや機能、声などをカスタマイズできる。自動車や家電、ゲームなどさまざまな対象に音声アシスタントを組み込めるという。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Amazon、アレクサのウェイクワードや声、機能などカスタマイズできる「Alexa Custom Assistant」発表」(2021年1月18日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Amazon.comは、音声アシスタントとして提供しているアレクサ(以下Alexa)のウェイクワードや機能、声などをカスタマイズできる「Alexa Custom Assistant」を発表しました。
企業はAlexa Custom Assistantを用いることで、独自の呼び名や声、機能を備えた音声アシスタントを、Alexaの音声認識機能をベースに構築できるようになります。
Amazonはこれにより、自動車や家電、ゲームなどさまざまな対象に音声アシスタントを低コストかつ容易に組み込めるようになると説明しています。
The Alexa Custom Assistant reduces the cost and complexity of building intelligent assistants into automobiles, consumer electronics, mobile applications, smart properties, video games, and a variety of other digital experiences.
Alexa Custom Assistantは、自動車や家電、モバイルアプリケーション、スマートな所有物、ビデオゲームやさまざまなデジタル体験にインテリジェントな音声アシスタントを組み込むためのコストや複雑性を小さくできます。
Amazonは自動車メーカーのFiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)がAlexa Custom Assistantの最初の顧客となり、同社独自ブランドの音声アシスタントを自動車に組み込むための開発作業が始まっていることも明らかにしました。
カスタム音声アシスタントとアレクサが連携
Amazonが公開したデモ動画では、カーナビに組み込まれた音声アシスタント「Brandon」が登場。「Brandon」と呼びかけると応答し、その声はAlexaとは異なっています。
Alexaが知っているオーナーのスケジュール情報をBrandonも共有しており、オーナーが自動車に乗り込むと今日のスケジュールを確認。ナビを始めます。
BrandonとAlexaは共存しており、カーナビの画面に「Alexa」と呼びかければ「Alexa」が起動。今晩のおかずにサーモンを注文します。
そのままAlexaに「サーモンに合うワインは?」と質問すると、Alexaが候補を返答。
目的地が近づきます。オーナーはハンドルを握りつつ「Alexa、駐車場を探して」とAlexaに呼びかけるも、Alexaは「Hmmm...Brandon?」と、AlexaがBrandonを呼び出します。
するとBrandonの声で「駐車する時間は何時間ですか?」と返事。オーナーが「2時間」と答えると、「オーケー、Amazon Payで駐車スペースを予約しました。そこまでナビをしますか?」とBrandonが返事をします。
デモ動画には、これらの機能は予定であると断り書きがありますが、このようにAlexa Custom Assistantで開発されたカスタム音声アシスタントはAlexaと共存しつつ連携する機能を備えているようです。
こうしてみると、Alexaは音声インターフェイスのプラットフォーム、あるいはOSのようなポジションに近づいているように見えます。これが自動車や家電やゲームなどさまざまなものに組み込まれることになれば、PCやスマートフォンのOSよりも多くの人々にとって身近かつ影響力のあるプラットフォームもしくはOSになっていく可能性を感じます。
Alexa Custom Assistantの詳細はまだ発表されておらず、希望者は「Alexa Custom Assistant Interest List」に登録することで今後の情報を得らえるとしています。
下記がデモ動画です。
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