トランプ米大統領、YouTubeで別れの挨拶を公開 バイデン氏への言及はなし
トランプ米大統領がホワイトハウスのYouTubeチャンネルで「お別れ動画」を公開した。約20分自分の功績を述べているが、次期大統領のジョー・バイデン氏には一切触れなかった。「新政権に権力を譲るが、われわれが始めた運動はまだ始まったばかり」という。
ドナルド・トランプ米大統領は1月19日(現地時間)、ホワイトハウスの公式YouTubeチャンネルで、「別れの挨拶」動画を公開した。約20分の動画は4年間の自らの任期中の功績の強調と身内への感謝に費やされており、20日に就任する次期大統領、ジョー・バイデン氏の名前は全く出てこない。
「水曜日の正午に新政権に権力を譲るが、われわれが始めた運動はまだ始まったばかりであることを知っておいてほしい」という。
トランプ氏は20日に議会議事堂で開催される新大統領の就任式には出席しない。大統領が次期大統領の就任式を欠席するのは、第18代アンドリュー・ジョンソン大統領がユリシーズ・グラント大統領の就任式に欠席して以来152年ぶり。ジョンソン大統領もトランプ氏同様に弾劾された。
トランプ氏がホワイトハウスで行った「選挙は盗まれた」集会の後発生した1月6日の議事堂襲撃については「すべての米国時は議事堂への攻撃に恐怖を感じた。政治的暴力は、われわれ米国人が大切にしているすべてに対する攻撃だ。決して許されない」と語った。
また、米国での表現の自由について触れ、「自由で開かれた議論を遮断することは、われわれのコアバリューと伝統に反する」と語った。同氏のSNSや動画サービスでの発言が暴力を扇動するものだとしてTwitter、Facebook、Instagram、YouTube、Twitch、TikTok、Snapchatなどが同氏のアカウントやチャンネルを凍結あるいは遮断している。
YouTubeは現在もトランプ氏のYouTubeチャンネルを停止しているため、このフェアウェル動画はホワイトハウスの公式YouTubeチャンネルで公開された。トランプ氏のチャンネルは現在も見ることはできるがコメントは付けられず、新規動画は1週間前から投稿されていない。
YouTubeは米CNBCなどに対し、当初の予定を延長し、26日までトランプ氏のチャンネルを停止すると語った。
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