どこが勝ち抜く? 携帯3社の“2980円競争” 各社の新料金プランを比較(2/2 ページ)
KDDIが「povo」を発表し、携帯3社の新料金プランが出そろった。「横並び」とも称される各プランの違いを分析し、競争を勝ち抜くのはどのプランか考察する。
新料金プランの競走、勝ち抜くのはどのキャリア
一見似通った条件ながら、実はさまざまな違いがある3プラン。各社とも3月のサービス開始を予定しており、ユーザー獲得に向けた競争が予想されるが、筆者はpovoとSoftBank on LINEに分があると考えている。
その理由は、コロナ禍で動画やビデオ通話の利用シーンが増えていることにある。例えば音楽コンサートなどは、コロナ対策でライブ配信されることが多くなった。だが動画の再生に使うデータ容量は、テキストや画像と比べて圧倒的に大きく、ユーザーの悩みのタネになる。
Web会議もその1つだ。仕事ではPCとWebカメラを使うが、友人とのオンライン飲み会はスマートフォンで済ませる人もいるだろう。povoやSoftBank on LINEには、動画視聴やビデオ通話の機会が多くても、データ容量を少なく済ませられるサービスがそろっている。
例えばpovoの場合、コンサートやオンライン飲み会がある日だけ、データ容量を24時間だけ使い放題にするオプションに加入すれば、追加料金を少なく抑えられる。SoftBank on LINEの場合は、LINEのビデオ通話機能を使ってオンライン飲み会を行えば、データ容量を節約できる。
とはいえドコモは1月、ahamoを発表した20年12月のMNP転出入が、単月では12年ぶりにプラスに転じたことを明らかにしている。筆者も販売現場や代理店から「ドコモを選ぶ人が増えている」という話を聞いており、先んじて新料金を発表した効果はあったようだ。
だが3社の新料金プランが出そろった今、ドコモのリードが堅調に続くとは思えない。従来プランから値下げしたことだけでなく、使い方次第でさらにおトクになることをユーザーにアピールできるかどうかが、競争を勝ち抜く鍵になるだろう。
価格やデータ容量が並んだ今、注目が集まるのは「付加価値」
20年12月以降、携帯料金に最も大きな影響を与えたのは間違いなくドコモのahamoだろう。だが対抗プランとして登場したpovoとSoftBank on LINEも独自の魅力を多数用意しており、安さ以外のアピールも欠かしていない。
一方で先駆者であるドコモも1月にahamoをファミリー割引の対象にするなど、後出しでメリットを追加している。今後、新たな施策を出してくる可能性も大いにあるだろう。
ユーザーの中には、すでに「2000円台」や「20GB」という数字を見慣れた人もいるだろう。価格やデータ容量が同じである以上、今後は「付加価値」が競争の鍵になっていくはずだ。
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